オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

  • 勝田梨沙

僕のおとうさんは桃太郎というやつに殺されました。


大人から子どもまで、

日本人なら恐らく知らない人はいない

桃太郎の物語


あらすじを書く必要もないほどに、

桃太郎のストーリーというのは

皆さんの心の中に残っているのではないかと思います。


鬼ヶ島に鬼退治に行った桃太郎。


仲間たちと見事に鬼を退治し、

物語は「めでたしめでたし。」

で終わるのですが…


みんながよく知る桃太郎の物語。

本当にハッピーエンドだったのでしょうか?


◆分子栄養学と俯瞰力◆


こんにちは、

分子栄養学アドバイザーの勝田です。


本日のタイトル…

少しドキっとする一文です。



実は、このキャッチコピー、


全国の若手クリエイターを対象に行われる

新聞広告クリエーティブコンテスト

2013年度の最優秀賞のコピーです。


涙を浮かべた小鬼が

ポツンと立ち尽くすイラストが、

意味深なコピーと共に心に訴えかけてきます。


センセーショナルなこのコピーは

当時話題を呼びました。

見覚えのある方も多いかもしれません。


コンテストのテーマは「しあわせ」でした。


本日は少しドキりとする

この広告コピーの一文から、


コピーのテーマでもある「しあわせ」を


「ココロとカラダのけんこう」

テーマへと勝手にすり替え(笑)

少し書かせて頂こうと思います。


◇世に五万と溢れる?健康情報


世の中には

沢山の健康情報が溢れています。


書店に行けば

一体どの本を買えば良いのか

迷ってしまう程に多くの健康本が並びます。

  • カロリー制限

  • 糖質制限

  • ケトン食

  • MEC食

  • 朝だけ〇〇ダイエット

  • ファスティング

  • マクロビ

  • ビーガン

挙げればきりがありません。


肉は食べるな!

と書かれている本もあれば


肉を食べていればOKというような

まるで相反する視点の本が並び、

本当に健康迷子になります。


溢れる健康情報ですが…


果たして万人に共通して通用する

たった一つの健康法ってあるのでしょうか?


◇物事の両面性と俯瞰力


現代はインターネットひとつで

何でも情報が手に入る便利な時代です。


自分で調べたいキーワードを検索すれば、

ピンポイントで情報を引っ張ってこれます。


しかし、これをやると便利な反面、

大事なことを見落とす可能性も無きにしも非ず


例えば肉が身体に悪いと思っている人が

「肉 危険」などと情報検索をすれば、


肉が身体に悪いことが延々と

書かれた情報が検索結果に現れ

ひたすらインプットされます。


言い方を変えれば

インターネットは自分の見たい

聞きたい情報だけを都合よく

引っ張ってこれるとも言えます。


肉食最強派はお肉ばかりを食べ、


逆もまたしかりで

肉食否定派はお肉を一切口にしないという


それぞれがあまりに両極端に

走り兼ねないなんてことにも。


それが自分の個体差

ピッタリ合っていれば良いですが、


物事には必ず両面性

メリットデメリットがありますから、


知らずのうちにデメリット

触れてしまっていた場合には

後に体調不良にも繋がり兼ねません。


片面だけしか見ないでいたら

裏面の汚れを見落としてしまうものです。


時に裏側も覗いてみる


こんな俯瞰力の視点をもつことが

大切かもしれません。



◆分子栄養学とタンパク質◆


タンパク質はわたしたちの身体をつくるうえで

とても大切な栄養素です。


三大栄養素の糖質、脂質、タンパク質

エネルギーを作り出しますが、


糖質が最優先でエネルギーとして

活躍してくれる一方で、


タンパク質身体を作ることが

メインで使われます。


タンパク質が不足してしまうと、

わたしたちの大切な身体が

作られなくなってしまいますね。


身体の一部が無くなってしまい…ます?


まさかっ!

アンパンマンじゃあるまいし、

そんなことは起きません。


アンパンマンのように身体の一部が

無くなるわけではありませんが、


取り敢えず、命に関わらない

重要ではないところから削られていきます。


命に関わらないところってどこでしょう?

  • 髪が抜ける

  • 爪がボロボロになる

  • メンタルトラブルが起きる

  • 眠れなくなる


抜け毛が激しくても

命には直接関わりません…


髪や爪、お肌


地味なところから

じわじわとタンパク質不足の影響

現れてくることがあります。



◇高タンパク食とうつ


鬱などのメンタルトラブル

タンパク質不足をはじめ、


栄養不足が関わっているということが

最近ではよく知られるようになりました。



タンパク質と鬱との関わりは、

セロトニンという神経伝達物質が

タンパク質を材料にして作られる

ということにひとつ関係しています。



セロトニン合成にはLトリプトファンが大元です。

Lトリプトファンの大半は

体タンパク合成に使われ、


もともとセロトニン合成経路に使われる分は

とても少ないのですね。


また、Lトリプトファン以外に、

鉄やビタミンなどもセロトニン合成に

関わっていることが分かります。


そのためか、


鬱やメンタル疾患で悩んでいる人が、

タンパク質や鉄、ビタミンを積極的に摂ろうと

考えることもあるかもしれません


とくに、手っ取り早くプロテインを飲んでみたり

アミノ酸単体のサプリ

トリプトファンなどを積極的に摂ったり、

鉄サプリを摂ったりと。


ここで調子が良くなる方も

とても多いと思います。


しかし、中には良くなるどころか

逆にメンタルが悪化してしまうこともあります。



一時良くなった体感のある人は、

自分のタンパク質量・鉄サプリの量が

まだまだ足りていないのではないか?

と、不安に思って、


さらにタンパク質の量

プロテインやサプリの量を

増やしてしまうかもしれません。


タンパク質量をどんどん増やし、

逆にメンタルや体調が悪化してしまった人は

高たんぱく食には少し注意が必要です。



◇Lトリプトファンに要注意


今日は物事の両面性

裏側も覗いてみるということでした。


実は、鬱などのメンタルトラブルを

どうにかしたい一心で

増やしたはずのタンパク質が、


場合によってはかえって

メンタルを悪化させるということが

起きる可能性もあります。


さらに突っ込むと、

本当にセロトニン不足なのか?


と言うところも

気になるところではありますが。


仮にセロトニン不足があったとしても


悲しきかな、

Lトリプトファンなどを摂れば

誰もがスムーズにセロトニン合成が進んで


セロトニンアップに繋がると

思ったら大間違い…


良かれと思って増やしたタンパク質

セロトニン合成経路に回らず、


人によってはナイアシン合成経路

途中で脇道にそれてしまい、


キノリン酸と言う神経毒

増やしてしまうことがあります。


この神経毒が増えてしまうことで

逆にイライラや興奮が助長されてしまったり、


情緒不安定に拍車がかかって

しまうことがあるのです。


◇高タンパクとアンモニアと尿素回路


鬱っぽい症状を持っている方が

高たんぱく食をする場合の注意点

実はまだあります。


タンパク質を食べると、

必ずアンモニアが発生してしまうのですが、


過剰にアンモニアが増えてしまうと、

その処理に尿素回路が大忙しになります。


アンモニアは毒なので、

身体のなかで無害なもの(尿素)に変換し、

さらに腎臓でろ過して

尿として排泄していきます。


腎機能が悪い方が、

タンパク質量に注意しなければ

ならないのはこの為ですね。


尿素回路が大忙しになることが、

実はメンタルにも関わっています。


尿素回路でアンモニアの処理に

使われるビオプテリン(BH4)は、


セロトニンなどの神経伝達物質を

作るときにも必要な補酵素です。


アンモニアが過剰になることで

BH4が尿素回路で多く使われてしまい、


セロトニン合成経路にまで

充分量がまわらず、


結果、セロトニンが低下して

しまうかもしれません。


アンモニアという身体にとっての毒を

処理をするのと、

心に必要な神経伝達物質を作るのと、


どちらを優先させるか?


と、考えた時


当然、毒処理・尿素回路にまわります。


生命の存続、身体・組織を考えたとき、


いかなる状況においても

メンタル・心を作ることは

常に後回しが常…。


眠りに関係するホルモン、メラトニンは


セロトニンから合成されるため、


メンタルトラブルと不眠は常に

隣合わせとも言えます。


◆健康への近道は個体差の勉強◆


タンパク質が大事だからと、

自分の個体差や高たんぱく食の

落とし穴を見落とし突き進むと、


良かれと思ったその健康法で

逆に体調を崩してしまい兼ねません。


万人に共通する健康法はありませんから、

本だけを読んで勉強をする


実はこれが意外と非効率であるという

ことに気づかされます。


本に書いてあることが

自分・万人の個体差に合っているか?


は、別の話になります。


高たんぱく食や鉄サプリで、

鬱がすんなり良くなる人もいれば

高タンパクで逆にメンタルが悪くなる人もいたり、


お腹が張って

ガスがやたら多くなることもよくあります。


実は、心も身体も健康になりたいと思っている人が

真っ先にするべきことは、


身体の仕組みをしって、

自分の身体のことを自分が一番よく理解する!


これが本当に手っ取り早く、

健康になるための近道と

言えるかもしれません。


自分の身体のことが分かるようになると、


沢山の健康情報の中から、

今の個体差にあったものを

俯瞰力でもって選択できるようになります。


この本にはこう書いてあったから…


これが非常にナンセンスに思えてきます。


◆桃太郎はヒーローではなかった?◆


ところで、

桃太郎には俯瞰力があったでしょうか?


桃太郎は、鬼の悪い噂を聞きつけ、

鬼退治に行く決心をします。


はたから見ると

なんてかっこいいヒーロー!


といった感じで、

本人も 正義を振り翳していますが、


しかし、これはあくまで

桃太郎目線の話しであることに気づかされます。


小鬼の立場に立てば、

親を殺されたうえに財産まで奪われた!


どちらが正義か悪か分かりません。(笑)


桃太郎の物語を俯瞰して

ちょっと変わった目線で上から眺めて見ると、


まるで真逆の視点に立たされる

ことに気づかされます。


桃太郎に少しの俯瞰力があれば

物語の結末は全く異なっていたかも…?


わたし自身、


なんでも両極端に走る暴走タイプ。


常に俯瞰する訓練が日常生活の中に

欠かせません。



◆桃太郎のアナザーストーリーを考える道徳授業◆


実は、本日のタイトルでもあるこのコピー、

中学校などの道徳授業の題材になっている

ことで話題を呼んでいます。


子どもたちに

  • 桃太郎の物語は本当にハッピーエンドだったのか?

  • 小鬼はどう思っていると思う?

  • 君ならどうする?


そんなことを生徒たちに問いかけ、

答えを出してもらうのです。


この道徳授業

とても興味深いです。


もちろん、

答え・模範解答などはないのですが、


子どもたち一人一人が

自分の頭の中に浮かぶ沢山の考えの中から

正しいと思う答えを選択することになります。


こういった問いかけは、

子どものうちから多様な思考や、

俯瞰力をつけることに非常に

役に立つのではないかと思います。


お子さんがいらっしゃる方は是非、


ご家族みんなで桃太郎の

アナザーストーリーを考えてみると

楽しいかもしれません。


どんな回答が飛び出すでしょう!?