『栄養アプローチ~脂質編~』
top of page

オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

『栄養アプローチ~脂質編~』

皆さんこんにちは。

分子栄養学アドバイザーの平田です。


前回は三大栄養素の炭水化物

タンパク質についてお話しさせて頂きました。


少し補足をすると

タンパク質にはアミノ酸スコアというものがあります。


簡単にいうとタンパク質の吸収率。

アミノ酸スコアが100に近いほど

食べたタンパク質の吸収率が良いという事です。


ただし、

100のものがいいかと言われるとそうではなく

100に満たないものでも、他の食品と

合わせさる事でアミノ酸スコアは100に近づきます。


何が言いたいかというと

結局、『バランスよく。』


これ食べてれば大丈夫!

なんて事は無いんです。

勿論すごく沢山の栄養素が

入ってるものもあったりするので

そうゆう食べ物を取り入れるのはOKです!


これからお話しする

脂質に関しても同じ事が言えます。


脂質の大きな役割としては


①身体のエネルギー源になる

②細胞膜の成分として身体を構築する

③脂質メディエーターとして、身体を整える


①に関して、


他の3大栄養素(タンパク質・炭水化物)

が1gあたり4kcalのエネルギーを生むのに対して

脂質は1gあたり9kcalものエネルギーを

生産する事ができます。

ただ、カロリーが大きい分、どうしても

『太りそう。』と避けられがちですが

とても大事な効率のいいエネルギー源です。


問題は


『取りすぎ』 と『偏り』


脂質の中には

中性脂肪としてつきにくい脂質の

中鎖脂肪酸やオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)

呼ばれるものがあり、

これらは太りにくいだけでなく

痩せやすい体質を作るには必須の脂肪酸でもあります。


また、

褐色脂肪細胞という細胞が背面の

特に肩甲骨の間に多くあり、

脂肪燃焼のスイッチとも言われています。

体脂肪が気になる方は

肩甲骨を寄せるようなエクササイズも

取り入れてみるといいと思います!


次に

②細胞膜の成分として身体を構成する


これは食べた食事の脂肪酸がリン脂質として、

身体中にある細胞の細胞膜を構成し、

身体を作っているということです。


身体一つ一つの細胞達をコーティングして

保護してくれてるイメージです。


細胞膜は細胞機能を司る重要な

働きをしていて、機能としては


  • 細胞膜の内側と外側を隔て、 細胞内部環境を一定に保つ


  • 外から必要なものを取り入れ、 不必要なものは遮断するのも細胞膜。


  • 外からのホルモンによる刺激を受け取る


など様々な機能を持っています。

より健康で、丈夫な身体作るためには

この細胞膜の質を上げる事が大切です。


いい細胞膜は、柔軟で流動性が高く、

身体の中の循環を邪魔しません。

血流が末端まで行き届き、

冷えや老廃物除去にも役立ちます。


細胞膜の質を上げるには、


鎖長が長く二重結合が

多い脂肪酸が多い方が

流動性が高くなると言われています。


代表的なもので言うと

DHAやEPA

何度も言いますがこれだけ

摂ればいいという話ではありません。


現代社会において、

これらの脂質の摂取量が減ってきているので、

このバランスが崩れている方はとても多いのが現状です。


意識的に、お魚などを食事に取り入れて

脂質バランスを整える事が大切です。

最後の方でまた少し解説していきます。


最後に

③脂質メディエーターとして身体を整える


とは何か。


脂質メディエーターは

免疫機能、炎症反応、血圧調整、

痛みや発熱、消化管活動、

細胞増殖・分化の制御など

様々な生理的な機能を有します。


簡単に言うと

脂質のバンスの崩れは

様々な病気にも繋がりうるという事です。


では具体的にどのくらい何を摂れば良いのか。


脂質の量に関しては

総摂取カロリーの20~30%が必要だと言われています。


男女差や年齢によって数値は変わってきますが


30・40代の男性であれば


1日の摂取カロリー目標は約2700kcal

これの20~30%なので

60?90gぐらいが目標量という事になります。


同じ年代の女性の場合

1日の摂取カロリー目標が大体2050kcalなので

45g~68gぐらいという事になります。


カロリー目標(kcal)×20~30%=脂質目標カロリー数(kcal)


ここに

脂質1gあたり9kcalなので


脂質目標カロリー数(kcal)÷9kcal=必要脂質量(g)


これで必要な脂肪量を出す事ができます。


年齢ごとの摂取カロリーや、

脂質必要量の詳細は農林水産書の

ページなどに載っているので

ご自身の必要量が気になる方は見てみてください。


また質というお話で1つ。


ω3とω6の油のバランスのお話をします。

ω3系の脂は、えごまや亜麻仁脂、

お魚なんかに多く含まれています。


ω6はごま油や、コーン油、

お肉や卵などに多く含まれます。


現代人はこのバランスが


ω3:ω6 = 1:5~10


になっていると言われています。


バランスに関しては色々言われてはいますが

ω3:ω6 = 1:1~2が理想値で、


健康維持の為には

『ω3:ω6 = 1:2~4 』


に収めた方がいいと言われています。

すごく簡単に説明していますが

脂質は色々な種類があり、

機能がたくさんあります。


まずは、お肉に偏ってないかな?

お魚も意識してみよう!


くらいの感覚で変えていってみてください。


ファーストフードや、お菓子などはさらに

偏りが大きくなりますますし、

トランス脂肪酸と言って身体に良くないと

言われる脂質も含まれていたりします。


『必要なものを入れる。』

も大事ですが、

『必要ないものをなるべくいれない。』


このバランスをご自身のやりやすい所で

少しずつ実施してみてください。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

bottom of page