最終回!栄養療法を成功させるステップ
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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

最終回!栄養療法を成功させるステップ

みなさんこんにちは。

分子栄養学アドバイザーの森田早紀です。

暖かくなり、新生活を始められる方も

多いのではないでしょうか。


今回は、新たに栄養療法に取り組まれる方、

分子栄養学を学び始めたばかりの方、

栄養療法はもうすでに取り入れているけど

なかなか成果が現れない方に向けて、

栄養療法を成功させるためのステップをご紹介します。


栄養療法を成功させるステップ1


◯消化力吸収力を整える


まずは、エネルギーが足りているかどうか

大切なことです。


自律神経である、

交感神経と副交感神経

バランスを整えるためにも必須です。

下記のチェックリストを見てください。


□お腹が空かない

□外食の定食の量が多いと感じる

□脂っぽいものを避けている・

 あまり食べられない

□ガスやゲップが多い

□胃痛がする

□水分をあまりとらない

□早食い

□下痢や便秘がある


当てはまるものがあった場合は、

消化吸収力が落ちています。

1日に必要なエネルギーが

足りていないかもしれません。


まずは、口から肛門までのどの部分が

ウィークポイントになっているかを知りましょう。


口では、食べ物が入ってくると、

唾液と一緒に糖質の分解酵素である

アミラーゼが分泌されます。

よく噛むことで、唾液が分泌されますし、

口の中で唾液と食べ物を

混ぜ合わせることで、

糖質の分解が進みます。

早食いになっている方は、

まずは1口20~30回は噛むことから始めましょう。


いつも食べすぎてしまう人にとっては、

よく噛むことは、食べ過ぎを防ぎ、

早食いによる食後高血糖も防ぐので、

ダイエットの基本になりますよ。


そして、唾液の分泌をよくする方法が

他にもあります。

まずは水分をしっかりとることです。

人間の体は、消化液だけでも1日7Lもの

水分を使います。

体の中では、水分を再利用しながら

この量の消化液を作っていますが、

もちろん、体が水分不足だと、

消化液の量も少なくなります。

冬場も、夏場も変わらず、最低でも、

飲み物から1.5Lは水分をとってみてください。


一気飲みしたり、急に量を増やしたりすると、

胃酸が薄まって、吐き気が出たり、

食欲不振になることがあります。

こまめに少しずつ飲むようにしましょう。


そして唾液を増やすもう一つのポイントは、

酸味です。

梅干しやレモン、酢などは、

唾液の分泌を促し、胃酸も強化します。

食事中のレモン水や、食前に酢の物を

食べることで、消化力が上がってきますので、

ピクルスや梅干し、酢味噌和えなど、

酸味のものを、毎食取り入れましょう。


食事の改善と並走して、

消化酵素のサプリメントを使って見るのも良いでしょう。


次に、油ものが苦手な方は、

胆汁不足かもしれません。

油は、吸収されやすい形にするため、

胆汁が乳化剤の役割をしています。

これが足りないと、消化不良になり、

下痢を起こしたり、

胃もたれを起こしたりします。

胆汁をしっかりと出るようにするためには、

苦いものを食べましょう。

春が旬の山菜もとても良いですし、

春菊、菜の花、ゴーヤも使いやすいですね。

また、杜仲茶やたんぽぽ茶は、

カフェインレスで、妊娠中、授乳中でも

飲むことができ、胆汁の分泌も促します。

濃い目に煮出して飲みましょう。


最後にです。

甘いものや小麦製品に偏った食事は、

腸内の悪玉菌やカンジダ菌が増える

原因になります。

甘いものは、たまの楽しみ程度にし、

毎日食べることは避けましょう。

朝食にはパンが手軽ですし、

麺類はお子さんも好きですよね。

こちらも、特に菓子パンは、

毎日にならないように、ごはんとパンと

交互にしたり、1日のうちで小麦製品が

何度も出てくることがないように調整しましょう。


まずはこれを実践し、

食事量が上がってきたり、食べすぎを防ぎ、

適正量が食べられるようになることを目指しましょう。


順番に行っても良いですし、

同時にいろんなアプローチをしても

構いませんが、

やりすぎてしまって体も心も疲弊すると、

ストレスで交感神経が優位になり、

栄養療法は破綻します。


真面目で几帳面な方は

少しスローペースで、ゆったりと始めましょう。


逆に飽き性で人任せになってしまうような

タイプの方は、明確に目標を決めてから取り組みましょう。


消化吸収力を整えつつ、

個々にあったサプリメントを同時にとっても構いません。


栄養療法を成功させるステップ2


◯食事バランスの見直し


エネルギー補給が十分な場合、

次は食事のバランスを見直しましょう。


主食、主菜、副菜、汁物が、

どの食事でも揃えられるのが理想形です。


毎食作れない方は、作り置きをするようにしましょう。


疲れている方には、ミールキットや宅配、

スーパーのお惣菜でもよいので、

できることをやっていきましょう。

10割の力で頑張って疲弊するよりも、

7~8割で長く続けましょう。

ベストよりベターです。


ごはんは、分づき米にもち麦と

ヘンプシードナッツ、にがりを入れて炊くと、

ミネラル補給ができ、血糖値も上がりにくく、

食物繊維もとることができますよ。

1食の量は150g程度とって

いただきたいですね。

ダイエットをしたい方で、今まで糖質制限

やファスティングで食べてこなかった方が、

急に量を増やすと、体重が急激に

増えますので、少しずつ増やして

体を慣らすか、分食しましょう。


量が多くて食べられない

少食の方の場合は、3食で食べきろうとせず、

何食かに分食して、1日トータルで考えると良いですよ。


野菜に関しては、お味噌汁やスープに

たくさん入れることからはじめましょう。

ただし、これだけでは野菜の摂取量は

十分ではありません。

副菜もできれば2品はほしいです。

作るには体力も時間も必要ですので、

焦らずにできることを探してみましょう。


特に、緑黄色野菜はビタミン・

ミネラルの宝庫です。

パプリカや人参をピクルスにして

作り置きしてみたり、副菜だけは

ミールキットに頼ったりして、時間と心の

バランスも上手にとってみましょう。


栄養療法を成功させるスッテップ3


◯グルテンフリー・カゼインフリー


食事量が上がり、エネルギーがしっかりと

とれるようになってきたら、グルテンやカゼインを

制限してみると良いでしょう。

エネルギーが足りていないのにも関わらず、

食べるものを制限してしまうと、

食事が楽しくなくなるだけでなく、

食事量が足りない方にとっては、

良いエネルギー源になるものまで

食べられなくなってしまいます。

自分はきちんと3食食べることが

出来ているか確認し、

グルテン・カゼインフリーができる段階なのかを

確認しましょう。


◯添加物


添加物も同様です。添加物を避けること

ばかりにこだわると、

食べるものがかなり制約されますし、

お金もかかります。

そして、特にお子さんにとっては、

食事は堅苦しく、楽しくないものに

なってしまっている可能性もあります。


添加物をなるべく取らせないように、

という愛情ももちろんわかりますが、

消化力を上げるためには、副交感神経が

しっかりと働く必要が出てきます。

副交感神経は、ゆったりとリラックスする

ときや、幸せな気分のときに優位になるので、

お料理の見た目や、ワクワク感、盛り付け、

その場の雰囲気、彩りなんかも

大切な要素です。

盛り付けや見た目に自身のない方は、

暖色系のお皿を使ってみましょう。


最後に

どの順番で、

どのアプローチをしていけばよいのか、

判断が難しいですよね。

個体差があり、万人にこの方法で

大丈夫というものはありません。

栄養療法だけではなく、医療の力も

併用することで回復が早くなることもしばしばです。


1つの考えに固執しないで、

広く大きな心を持って取り組むことが、

成功の秘訣です。

自分の殻から抜け出せないときには、

カウンセリングや自然と触れ合う旅行が

よく効く場合が多々あります。


分子栄養学が、みなさんが幸せになる

きっかけのひとつになることを心から願っています。


2年間、ブログをお読みいただいた皆さま、本当にありがとうございました。



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