成長期のこどもとスポーツ
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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

成長期のこどもとスポーツ

皆さんこんにちは。

分子栄養学アドバイザーの森田早紀です。


季節の変わり目、体調を崩しやすい時期

ですが、いかがお過ごしですか?

本州では、風が少し涼しくなり、

秋が来ているなぁと感じています。


さて、秋といえば?

食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、

秋の夜長など思いつきますが、

今回はスポーツの秋特集です!


最近では、幼児でもできるリトミック、

体操教室、サッカー教室など、幼い頃から

スポーツに関わる機会も増えてきましたね。

小学校からクラブチームに所属して、

練習と試合の日々を繰り返している、

多忙なジュニアアスリートも増えています。


スポーツは、目標を持って取り組む姿勢や、

スポーツマンシップなど、社会的な成長も

期待でき、素晴らしいですよね!


私も高校時代は陸上選手として、

日々部活動に勤しんでいました。

練習は厳しく、特に冬場の基礎体力を

高めるトレーニングのときは、体を限界まで

追い込むので、食欲がわかない日もありました。


スポーツによって、シーズン、シーズンオフがあり、

練習量や試合時間も様々なので、

分子栄養学を取り入れた”食トレ”

することは、まさに個体差にあった、

おすすめの方法なのです!


スポーツをするとなると、

やはり気になるのは、

  • 身長が伸びるかどうか

  • 筋肉はどうやってつけるのか

ではないでしょうか?


身長を伸ばすために


バレーボールやバスケットをしていると

背が伸びる!なんて聞いたこと

ありませんか?

そう言われるのには理由があります。


は、負荷をかけることで成長して

いきます。

例えば、食いしばり、歯ぎしりがあると、

かなりの力が顎に加わるため、

骨隆起と言って、歯茎や顎の骨が出っ張り、

硬いコブのようになってしまいます。

同じ原理で、バレーボールやバスケットボール

など、ジャンプを繰り返すような運動を

することで、骨に負荷がかかり、

成長するという仕組みです。

あくまでも適度に、ですが・・・


分子栄養学で大切なのは、

  • 骨を作る材料をしっかりととること

  • 栄養素を消化吸収できる状態にすることです。


一般的に、骨=カルシウムと

思われがちですが、それだけでは

骨は成長しません。

骨の構造は、鉄筋コンクリートのビルに

例えるとわかりやすいです。



骨に必要な栄養素は、

タンパク質++ビタミンC=コラーゲン


チョークを思い浮かべるとわかりやすい

ですが、弾力がないので、

ポキっと折れてしまいますよね?

骨に弾力を与え、重力や負荷に

耐えられるよう、強い骨をつくるには、

コラーゲンが必須なのです。


タンパク質というと、低カロリーで

高タンパクな鶏のささみ肉、胸肉を

多用する方も多いのですが、成長期の

お子さんには少し注意が必要です。

減量したい方には良い食材ですが、

成長期となると、話は別です。


特に、成長期のお子さんの場合、

エネルギー摂取が大切です。

身長を伸ばすためには、細胞をたくさん

作り出す必要があります。

その際に、エネルギーがたくさん必要に

なるので、エネルギー不足があると、

タンパク質がしっかり摂れていたとしても、

身につかないのです。


成長期のこどものエネルギー摂取には

優先順位があります。


  1. 生きるためのエネルギー

  2. 成長・発達のためのエネルギー

  3. 運動のためのエネルギー

という優先順位です。


ただ、食べられる量には限界があります。

糖質、タンパク質はそれぞれ1gあたり

4kcalのエネルギーを生み出しますが、

脂質は1gで9kcalものエネルギーを

生み出すことができます。

毎食、ご飯2杯と主食、主菜を食べられる

場合は良いですが、ハードな練習後、

交感神経は優位になりがちで、

食べられない場合もあります。


そのため、上手に脂質を活用することが

大切になります。


脂質の摂取が極端に少ないと、

筋肉自体も弾力がなくなり、肉離れや

成長痛などの怪我や故障の原因にもなりかねません。


脂質は、食事で摂取するカロリーの

20%を下回らないように摂ることが

重要です。

例えば、1日に2500kcalの食事を

とるとすると、計算は以下のようになります。


2500kcal×20%=500kcal

→1日に取るべき脂質のカロリー


500kcal÷9kcal=55.6g 

→1日に摂るべき脂質の量


脂質は、良質なものを摂る必要があります。

例えば、トランス脂肪酸(マーガリン、

ショートニングなど)や、時間が経って

酸化した油などは、体に炎症を起こします。

スポーツをするということは、体を酷使し、

筋肉や骨、呼吸器など様々な体の細胞で

炎症が起こることになります。

ですので、油は、新鮮なもの、遮光された

容器に入っているもの(できれば瓶が良い)を使いましょう。


オリーブオイル、米油、ココナッツオイル

上手に使ってみましょう。

また、炎症を抑えるDHA、EPAがたくさん

含まれている青魚や、えごまオイル、

アマニ油も積極的に取り入れましょう。

えごまオイル、アマニ油は、熱に弱く、

酸化してしまうため、非加熱で使ってくださいね。


また、少食の子に関しては、

すぐにエネルギー源になる、

中鎖脂肪酸の摂取がおすすめです。

MCTオイル、MCTパウダーをお味噌汁や

飲み物に混ぜ込んだり、炒め物に

ココナッツオイルを使うと良いですよ。


お肉も、鳥のささ身肉や胸肉ばかりではなく、

もも肉や、赤身肉も上手に使ってみましょう!


適度な運動って?


では、適度ってなんでしょう?

6歳~11歳までの学童期では、

  • やや楽~ややきついと感じる程度の 運動を週に200分程度

が適度です。


それに加えて、筋力の維持させたい、

強くしたい場合には、

  • やや重いと感じる重量を1日に 10回、週に2~3日

が適度です。


クラブチームに所属したり、習い事を

しているお子さんは多いので、

オーバーワークになっている場合も

多く見かけます。

オーバーワークは、怪我の原因にも

なりますので、指導者と練習量を相談

するのはもちろんですが、難しい場合は、

栄養、休養が最重要になりますね。


筋肉をつけたい!


筋肉の材料は、タンパク質です。

では、タンパク質をたくさん摂ればいいのか!

と思いがちですが、ここにも

注意点とポイントがあります。

タンパク質は、消化吸収される過程で、

アンモニアが発生します。

アンモニアは、人間の体にとっては毒と

なりますので、肝臓で解毒する

必要があります。

アンモニアは、肝臓で“尿素”に変換され、

無毒化されてから、おしっことして

出ていく仕組みになっています。


おしっこは、腎臓で作られるのですが、

タンパク質の摂取量が多すぎると、

尿素がどんどん作られ、それを外に出す

ために腎臓が一生懸命働きます。

そのため、腎臓が過労状態になり、

腎機能が落ちてしまうこともあります。


プロテインを多飲したり、

高タンパク食には気をつけましょう。

タンパク質の1食あたりの目安は、

手のひら1枚分の大きさと分厚さです!


また、タンパク質は一度に消化吸収

できる量が決まっています。

個体差もありますが、1度に消化吸収

できるのは20gが限度です。

消化力の弱いお子さんは、

もっと少なくなりますし、

たくさん食べられるからといって、

食べ貯めはできないので、注意しましょう。


下記のタンパク質の大体の目安を参考に、

献立を立ててみてくださいね。


《タンパク質の大体の目安量》

ごはん1杯 → 3g

お魚・お肉50g→ 10g

卵1個・豆腐100g → 7g


1食で2品目のタンパク質が目安です。


栄養が身につく方法


ずばり、消化吸収力が高い選手は、

強いです。

消化吸収力は、個体差があり、

アプローチが難しいのですが、お子さんに

合った食事内容と、タイミングを見つけましょう。


食欲がわかない子の原因の多くは、

消化酵素不足、交感神経優位

2つです。

消化酵素はタンパク質でできていますので、

吸収しやすい形でこまめに摂取しましょう。

コラーゲンペプチドの状態だと消化

しやすいので、ボーンブロススープがおすすめですよ。


交感神経優位の原因の多くは、

オーバーワーク、人間関係などの環境、

エネルギー不足です。

その子なりのリラックス方法を見つけましょう。

また、空腹時間が長い、

食べ方が少ない場合も、

エネルギー不足によって、

交感神経優位になり、食欲がわきません。

こまめな補食と、食事時間の管理を心がけましょう。


最後に


スポーツと栄養には、まだまだたくさんの

ポイントがありますが、まずはこの基本を

踏まえた食事をしてみてくださいね。

お子さんの栄養に関して、

もっと詳しく学びたい!という方には、

こども分子栄養学アドバイザー養成講座がおすすめです。


こどもに特化した栄養のお話は、

管理栄養士の私でも、初耳のことが多く、

充実した内容です。


子どもを幸せにすることのできる

”こども分子栄養学”


一緒に学ぶ方が増えると。

とても嬉しく思います!

たくさんの皆様のご参加、お待ちしております!


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