誰にでも起こり得る、食物アレルギーと皮膚のバリア機能~
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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

誰にでも起こり得る、食物アレルギーと皮膚のバリア機能~

皆様、こんにちは。


第7期分子栄養学アドバイザーの

守島宏枝と申します。


九州、熊本もここ1週間程で寒さの

身にしみる季節になってきました。


私は、この一年を振り返ると、これまでの

人生の中で1番変化の多い年となりました。

まずは、このオーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学を学び始めたことで、

長年の朝食、コーヒーとパンだったのが、

和食主体に変わったこと。

そして、分子栄養学をきっかけに転職したこと。


栄養のことだけではなく、これまでの考え方が

変わることで、人生の道が開けたような

感覚を感じることが出来ています。


元々、スピリチュアルなことが好きでは

ありますが、引き寄せの法則って

あるんだなと強く思う一年でした。


すべての出会いに感謝しています。


では、本題の「食物アレルギーと

皮膚のバリア機能」について書いていきますね。


前回の記事でも少し触れましたが、

今月5歳の誕生日を迎える息子は

卵アレルギーがあります。

即時性フードアレルギー検査については

前回の記事で書いておりますので参照してください。


きっかけは、生後9ヶ月の頃に離乳食を

食べさせた時に、多量の嘔吐をしたことでした。

これまでにも、ごく少量の黄身などを

食べさせてはいたもののアレルギー反応には

気づいていなかったんです。

時々、目の下が赤くなったり、顎がただれて

皮膚が荒れたりはしていましたが、

アレルギーの兆候だとは思っていませんでした。


嘔吐をきっかけに食物アレルギーの検査を

受けて、卵白アレルギーと診断されました。


これを機に、私は卵を全く買わなくなり、

大好きだったオムライスも食べなくなりました。


それと同時に、卵を使用している食品の

多さに衝撃を受けたことを覚えています。


また、その頃の私は、皮膚のバリア機能と

食物アレルギーの関係があるということも知りませんでした。


私は、分子栄養学を学ぶと同時に、

食物アレルギーについても

最近学びはじめて、

これは、皆様にもお伝えしなければと

思うことがたくさん見えてきました。


現在、アレルギーがない方でも、

今後発症するリスクがあること、


発症の予防法を知っているか知らないかで

大きく人生を左右するかも知れない

ということをお伝えできればと思います。


現在のこどもの食物アレルギーの

罹患率は3~8%、食物以外の何らかの

アレルギー疾患に罹患している人は

2人に1人と言われています。


この10年で1.8倍になっています。


食物アレルギーにはブームもあり、


2000年代は卵・乳・小麦がメインで

年齢が上がるにつれてバラエティー豊かに


2005年代は魚卵(いくら)が幼児の

新規アレルギー発症の1位に


2010年代は大人の小麦アレルギーが

急増、甲殻類を抜いて1位に


(小麦アレルギー発症の原因は、

ご存知の方もおられると思いますが、

「茶のしずく石鹸」に含まれた

加水分解たんぱくが経皮感作によって

小麦アレルギーを起こしてしまった事件です)


2020年代は木の実が小麦を抜いて

第3位に次のブームは何が来るのでしょうか、、、


従来は食物アレルギーは遺伝や

母乳のせい、妊娠中の食事のせいだと

言われてきました。


また、20年前までは未熟な腸に抗原を

入れない方が良いとの考えから3歳までは

アレルギーの起こしやすい食べ物を

食べさせないという時代がありました。


15年程前からは、食べ物を摂取することが

アレルギーの発症予防に

繋がる可能性があり、早めに食べたほうが

よいという方針へ変わってきています。


小児の食物アレルギー発症リスクに

影響する原因として、


  • 皮膚バリア機能

  • 日光

  • ビタミンD


などが報告されていて、中でも

アトピー性皮膚炎があるとアレルギーの

リスクが高まると言われています。


2008年にLack Gさんが

「二重抗原暴露仮説」というものを提唱されました。


簡単に説明すると、荒れた皮膚から

アレルゲン(卵や小麦、牛乳等)が

入り込むとアレルギーを発症するが、

アレルゲンを口から先に食べていれば

アレルギーを予防することができるというものです。


日本小児アレルギー学会の出されている、

食物アレルギーガイドラインにおいても、


  • 食物アレルギーを恐れて離乳食を遅らせないこと


  • 離乳食開始前には、湿疹発症早期からの 治療の開始、湿疹を十分にコントロールすること

が推奨されています。


息子は生後1ヶ月の頃に乳児湿疹が出ました。


そこから、皮膚科では再三「保湿」

言うことを口酸っぱく言われました。


当時の私の食生活はと言うと、

朝はコーヒーとパンとヨーグルト、

授乳するととてもお腹が空くので

お菓子でお腹を満たすという最悪な食生活でした。


最初の頃は混合栄養でしたが、徐々に

ミルクを飲まなくなったのもあり、

離乳食を始めた頃には完全母乳育児となっていました。


今、栄養の大切さを学んで思うことは、


  • 出産時の出血量が多く、 貧血になっていた私の母乳を飲んでいたこと


  • 添加物だらけの母乳を与えていたこと


  • 子供の保湿に対して、 少しの乾燥くらいは、、、 荒れたままになっていたことも


  • 子供の爪が2枚爪になっていて切るのが 大変だった


つまり、私は栄養のない母乳を息子に

与えていた訳です。


母乳育児の場合は、母親の栄養状態が

子の栄養状態を左右するということを

今になって思い知らされたのでした。


茶のしずく石鹸事件で、経皮感作という

言葉が広く知られることになりましたが、

私は息子が卵アレルギーを発症する前に

思い当たる節がありました。


生後5ヶ月くらいの頃に、卵料理をしている

途中にお風呂から上がった息子の

保湿をする際に蕁麻疹が出たことがあります。


私がしっかり手を洗っていなかったんですね…。

当時は、原因不明の蕁麻疹と

診断されましたが、今思うと

卵の経皮感作だったかもと思います。


※経皮感作とは


ハウスダストや食品などに対して

免疫が働き、アレルギー反応を起こす

体質になってしまうことを「感作」と

言います。

「経皮」とは「皮膚」という意味で、

皮膚についたものが原因でアレルギーに

なってしまうことを意味します。


家の中には、ハウスダストとともに食品の

残骸が舞っています。乾燥や湿疹、

擦り傷などからアレルゲンが侵入してくると、

バリア機能を失った皮膚では容易に

アレルギー反応を起こしてしまうリスクが

あることを十分に知っておかなければなりません。


現在は、栄養に加えて皮膚のバリア機能を

高めるための「保湿」ということが

私の不調改善の一つとして加わりました。


しかしながら、2019年~2021年にかけて、

保湿剤のアトピー性皮膚炎予防効果、

食物アレルギー発症予防効果に

否定的な論文も報告されています。

2021年にイギリスの論文によると、

保湿をしっかり行えば行うほど

食物アレルギー発症のリスクが大きくなって

しまうというものです。ここで用いられた

保湿剤は単一のものではなく

「オリーブ油」が多かったそうです。


私は、メディカルアロマの勉強をしていて、

植物由来の油という視点から見ても

食物由来の保湿剤というものは

小さいうちは要注意だと思っています。


例えば、

ティートゥリーやラベンダーは自然療法に

おいてポピュラーで安全だとされています。

シャンプーや石鹸、保湿剤や芳香剤にも

よく使われていると思います。しかしながら、

このオイルにはエストロゲン様作用があり、

思春期前の男の子においては

女性化乳房を誘発する可能性が示唆されています。


植物オイルであるオリーブ油や

ココナッツオイル、セサミオイル等、

純度の高いオイルはむしろ経皮感作を

起こしてしまう可能性があることを

少し念頭におきながら、むしろ、

アレルゲンとなり得る成分や酸化を促す

成分を取り除いた精製されたものを

使用するのが安全だと感じました。


どうしても、健康意識の高まりから

精製されていない未精製の良質な油を

優先しがちですが、食べる油と塗る油に

おいてアレルギー発症の観点から言えば

注意しながら適切に使用するのが重要だと思います。


まだまだ食物アレルギーの研究は現在も

続けられているようなので、

結論はででいないと思いますが、

皮膚をきれいに整えるということにおいては

デメリットはないと思います。


ここ数年、感染症対策でアルコール消毒を

する機会が増えました。


アルコール消毒は、殺菌効果が高いですが

皮膚のバリア機能を弱めている可能性があります。


私は医療職でアルコール消毒は日常的に

使用していましたが、皮膚の乾燥だけではなく

爪までもカサカサになっていました。


手料理を作られているお母様方は、

爪の周りがささくれていませんか?


是非、「保湿ケア」も忘れずに。


今回は食物アレルギーと皮膚のバリア機能に

ついてのお話でしたので、皮膚のバリア機能を

高めるための腸内環境のことには

触れていませんが、皮膚は免疫活性の場、

腸は免疫抑制の場と言われているほど

密接に関係しています。


細胞レベルで栄養を整えるという

分子栄養学の考え方をベースに、

これからも食物アレルギーの息子の成長を

見守っていきたいと思います。


次回は、元内視鏡室ナースとして

胃カメラの介助をしていての発見を

テーマに胃の中を深掘りしていけたらと思います。


2022年も残すところ僅かとなりましたね。

大変ありがとうございました。


来年もよろしくお願い致します。




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