食べなきゃ痩せないダイエットの秘密
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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

食べなきゃ痩せないダイエットの秘密

こんにちは。

分子栄養学アドバイザーの平田です。


前回までは腸についてのお話をしてきました。


腸の機能の大切さや、腸活の方法が少しでも

理解できるものであったのなら嬉しいなと思います。


さて、

今回はダイエットに関して

お話ししていきたいと思っています。


前回お話しした腸もダイエットには

深く関わってくるのはご存知でしたか?!


ダイエットにも欠かせない腸の機能も絡めて

お話ししていきたいと思います。


今日は


①意外と知らない代謝と栄養の話

②睡眠とダイエット

③腸とダイエットの関連

④ダイエットの[鍵]血糖コントロール


をお話ししていきたいと思います。


まず最初に

①意外と知らない代謝と栄養の話

として

ダイエットと聞くと何が思い浮かびますか?


食事制限や運動を思い浮かべる方は、

多いかと思います。

勿論とても大事な事です。


食べ過ぎを抑えて、適度な運動で筋肉力をあげ

代謝を上げ、消費エネルギーを上げる。


トレーナーとして働いている時の知識は

そんなものでした。

それで結果が出る方も沢山います。


しかし

『何やっても痩せません。』

と言う方がいます。


ここは大きく分けて

2パターンあると思っています。


1.実は結構食べている

2.食べる量が少ない


1.は割と納得できるかと思いますが

1.の場合

レコーディング法といっても食事の記録を

つける事や、トレーナーさんについてもらい

管理してもらう事で気づきを得て

適切な食事量に戻す事が必要です。


ご自身の代謝量<食事エネルギー

は当然太ります。


ではその代謝を上げるために何ができるか。

そもそも代謝とは何か。


人が日常生活で代謝するエネルギーは

大きく分けて3つです。


・基礎代謝

 (何もしなくても消費するエネルギー)

・運動エネルギー

 (運動や普段の生活の中で動くのに必要なもの)

・食事誘発性代謝

 (食事をした時に消費するエネルギー)


これらの消費するエネルギーの割合は

どれが多いと思いますか?


皆さん頑張って運動してエネルギーを燃やそうとします。

筋肉量を上げて基礎代謝を上げようとします。

それも大事です。


ですが、上であげた代謝で

それぞれが占める割合は


基礎代謝 6割

運動代謝 3割

食事代謝 1割


運動であげられる代謝は

せいぜい3割程度です。


勿論

必要なものではあり、

運動しなくていいと言う話ではありません。


運動しても痩せない方は

代謝の半分以上を担っている

基礎代謝に問題がある可能性があります。


全体の

6割を超える

この落ちてしまった基礎代謝

を無視すると痩せません。


この基礎代謝が落ちる原因

それが『2.食べる量が少ない』人です。


なぜ食べる量が少ないと代謝が落ちるのか

以前は私も『筋肉量が下がるから』という理由で

食事を進めていました。


ですが、それだけではありません。

基礎代謝とは何か、そしてその内訳を

少し見てみましょう。


基礎代謝とは

生命活動をするのに必要な最小限のエネルギー量です。


ではその基礎代謝の中身をざっくりというと

脳  20%

肝臓 20%

筋肉 20%

心臓 9%

腎臓 8%

脂肪組織 4%

その他

です。


人によっては肝臓が30%近いと言う方も

いるのであくまで参考値です

基礎代謝の中に筋肉は20%入ってるので、

もちろん大切です。


ですが、脳を含めた内臓は

全体の基礎代謝の内6割を占めます。

この内臓機能が落ちていては

運動量を上げるだけは痩せません。


むしろ生命維持活動に必要な

エネルギーが入ってこない

(摂取カロリー<基礎代謝)


と言う事は

身体は生命の維持活動の危機だと感じます。


どれだけ頑張っても

エネルギーをできるだけ溜め込もうとして

各臓器を省エネモードに切り替えているので

体重は減りません。


むしろ基礎代謝が落ち、太りやすくなったり

食事量が減る事で各種ホルモン、消化酵素も

分泌できなくなります。


栄養において

まず皆さん意識するのが

タンパク質だと思います。


筋肉にとっても大事で不足すると

筋肉を分解して、エネルギーを供給すると

言われてるので

不足しないようにすることが大事ですね。


筋肉量が減れば、それだけ基礎代謝も下がります。

ただし、それだけではありません。


先ほどお伝えしたホルモンや

消化酵素の大元もタンパク質です。


タンパク質が必要量足りていたとしても

総エネルギー量が足りないと

タンパクはエネルギー代謝の方へと回されます。


食べない

消化酵素が減る

消化力が落ちる

食べられない


この負のスパイラルに陥ります。


そして、

『食べないけど、頑張って運動はする』

そうすると

身体は飢餓状態のストレスに加えて

運動によるストレス、

更には体重が落ちないことによる

精神的なストレスにも繋がりうるので

体調を崩す方も多くなります。


また、そんな状態ではモチベーションも続かず

リバウンドや途中で諦める方も続出...


根本的な代謝の改善の為に

まずはブログの最初の方でもお伝えしたように

ベース食事量は

基礎代謝を参考値にしつつ

摂取していくのがやっぱり大事ですね。


その他にもエネルギーとして使う

炭水化物や、脂質といった栄養素も必ず必要です。


それぞれ異なった経路で

身体の中にエネルギーとして利用されます。


それらをエネルギーとして

効率よく使い燃焼させる為には

ミトコンドリア機能を高め

エネルギーを燃やせるようにする必要があります。


その為に

特に大事になるのが

鉄、ビタミンB群、コエンザイムQ10

です。


女性は特に月経の関係で鉄は不足しやすく

運動による汗と共に鉄分の浪費も起こります。


脂身を避けてお肉を避けてる方も多く見ます。


ですが、そうすると

鉄だけでなく、ビタミンB群まで

取りづらくなってしまいます。


これでは代謝が回りません。


鉄やビタミンを補うためにも、

脂身の多いお肉は避けつつ、

赤みのお肉はしっかり食べていきましょう。


また今少し話にも出た脂質。


ダイエットをする上でみなさんが避ける脂質ですが

過度な制限は避け、バランスを意識しましょう。


脂質に関しては以前

『栄養アプローチの脂質編』でお話ししていますので

ここで詳しいお話は省かせていただきますね。


まだ読んでない方はそちらも読んでみてください!


次に

②睡眠とダイエット

について少しお話ししていきます。


あまり関連付けて考える方は

少ないかもしれません。


ですが、睡眠とダイエットには

深い関わりがあり様々な研究がされています。


睡眠不足は

糖質や、高脂質な食事への欲求が

高まるだけではなく、

自律神経やホルモンのバランスが崩れ、

食欲抑制の機能もあるレプチンと呼ばれる

ホルモンの分泌が減り、

食欲欲求のグレリンと呼ばれる

ホルモンが増加します。


また睡眠不足は

コルチゾールの増加を招きます。


コルチゾールはストレス耐性の為に、

栄養を身体に溜め込もうとします。


では、具体的に何時間睡眠がいいのか。


睡眠時間の目安は

7~8時間を目安にとる事を推奨している

研究が多いです。


中には7時間42分!なんて研究もあるようです。(笑)


研究では睡眠時間の減少が

脂肪燃焼効果に倍近い影響を

与えるとも言われています。


夜は早めに寝て、朝起きる習慣を身につけましょう。


③腸とダイエットの関連

腸内細菌はダイエットをする上で

様々な役割を果たしてくれています。


では、なぜ腸活がダイエットに役立つのか

幾つかご紹介したいと思います。


先ほど代謝の話でもあったビタミンBは

人が作る事はできません。

なので外から補充する事が大切ですが、

実は体内に棲む腸内細菌がビタミンBを

合成する事がわかっています。


腸内環境の悪化はビタミンBの合成を阻害し、

結果としてエネルギー代謝の低下につながります。


また、小腸や大腸内にある受容体を介して

GLP-1という物質を作ります。


これは、食欲抑制や、報酬系回路の遮断

(簡単に言うともっと食べたいとなる気持ちをブロック)、

褐色脂肪細胞の活性による代謝促進、

インスリン分泌促進による血糖値の安定など

様々な健康効果をもたらします。


これはプロピオン酸や酪酸などが腸内の受容体に

作用する事で体内で合成されると言われています。


これらのプロピオン酸や酪酸などの

短鎖脂肪酸を増やす為に、食物繊維などを

含めた腸活が必要になるのです。


ある動物実験の中では

いくつかの食物繊維とレジスタントスターチを

比較した時、レジスタントスターチで最も短鎖脂肪酸が

作られたという結果も残っているようです。


そして最後に、

④ダイエットの鍵『血糖コントロール』

身体の血糖値が乱れているというのは

急上昇、急降下を招きます。


急上昇した時には、それを抑える為に

大量のインスリンが分泌され血液中の糖分を

保とうとします。


ですが、急上昇した糖分は一気に身体の中に吸収され、

エネルギーとして回す事が追いつかず、

脂肪として蓄積されます。


また、逆に血糖値が低い時には

身体はエネルギーを欲し

血糖を上げる為に糖分を求めます。


甘いものへの欲求が増え、抑えられなくなります。


では血糖をコントロールする為に何ができるのか。

いくつかあげていきたいと思います。


1.ジュースやお菓子、人工甘味料を避ける

ジュースやお菓子には大量のお砂糖が

使われている事が多くあります。

大量の糖分摂取は血糖値の急上昇を引き起こします。

また、人工甘味料は腸内細菌への悪影響を与えます。


2.朝食の重要性

ある研究で

朝食なしのグループでは、

インスリン分泌は高くGIP,GLP1の分泌は下がる。

GLP1に関しては食後2時間経った後も低いままである事や

またセカンドミール効果と言って

朝食を食べる事で、空腹時間の減少、

また昼食後の血糖値の上昇を抑えられる事が

わかっています。


3.食べ順

"食べ順"は聞いたことあると思います。

食物繊維ね。

って思う方もいると思います。

もちろんそれもあります。

ただ、タンパク源でも同じような効果があるのも

知ってましたか?!


先ほど話にも出た

インクレチン(GLP-1、GIP)と呼ばれる

ホルモンの研究で

鯖の水煮と、牛の網焼きをご飯より先に食べた時の

血糖値上昇データをとった論文がありました。


結果は..

どちらも血糖値上昇を抑制。


ただし!

魚と肉では脂質成分が異なります


牛などに多く含まれる、

一過不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸は

GIPを強力に分泌。


血糖値抑制効果を発揮する共に、

脂肪を蓄積する効果も併せ持ちます。


どちらも同程度の消化抑制、

血糖の安定効果をもたらしますが

長期的な効果で見ると

お肉より魚の方が脂肪が蓄積しにくい


という結果だったそうです。


ここで勘違いが起こらないで欲しいのは

『肉は食べるな!』ではない。ってことです。


とにかく

何度もお伝えしてますが、食事はバランスです!

肉に含まれる鉄分や、ビタミンなどは痩せるのに必須!


可能な範囲で

和定食を意識しながら、

お肉もしっかり食べていきましょう!


気になる方は脂身の少ない部分を

多く摂ると良いと思います。


脂質を含めた栄養の話や

腸活は他のブログ記事でも触れてるので

まだ読んでない方は

そちらも参考にしてみてください。


最後までお読みいただきありがとうございました。



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