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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

スポーツドリンク、薄めて飲んでいませんか?

執筆者の写真: 佐々木祐子佐々木祐子

こんにちは!


第8期分子栄養学認定アドバイザーの

佐々木祐子です。


私の住む札幌では今年、インターハイが

行われています。

高校生の日本一を決める熱い戦いが

行われているんですね。


この記事をあなたが読んでくださる頃には

もう終了していると思いますが

たくさんの人に支えられて一生懸命に

取り組んできたのだから自分の力を信じて、

力の限り頑張って欲しいと思います。


高校生もそうですが、世の運動する方々も

汗をかきますね。


その汗は水分だけが出ていくわけでは

ないのです


汗はしょっぱいからね

しょっぱいから、水と塩だよ


と思っている方、惜しい!

水と塩の他に、体の中のミネラル成分も

一緒に出ていっているんです。


汗の成分とは


そもそも汗は、人間のほぼ全身に分布する

エクリン汗腺(えくりんかんせん)という

皮膚に開いた穴みたいなものから分泌される

液体のことをいいます


汗の成分はおよそ99%が水で、

そのほかにナトリウムなどの電解質

マグネシウム、カルシウムといったミネラル

含まれています。


大量に汗をかくと、それらも一緒に体外に

流れ出て体のバランスを崩してしまうので

注意が必要です。


運動時の水分補給


運動時の水分補給にはスポーツドリンクが

適しています。


でも、いつでも飲んで良いのでしょうか


スポーツドリンクには運動中に汗として失われる

ナトリウムやミネラル成分


エネルギー補給のためのブドウ糖


などが含まれ、脱水予防や

疲労回復に役立ちます。


ですが、全ての運動=スポーツドリンクが

必要。ではありません


スポーツドリンクでの水分補給が望ましいのは


  • 1時間以上の運動

  • サッカーなどの激しいスポーツを行う場合


などです。


1時間に満たない軽い運動であれば

汗はそれほどかかない場合が多いので、

水でも構いません。


通常時の水分補給


運動をしていない時でも呼吸や尿から

水分を失っています。


失った分を補うには食事から摂る以外に

1日におよそ1.2リットルの水が必要と言われています。


通常時の水分補給にスポーツドリンクを

飲むと効率的に

とれると思われる方もいらっしゃるかもしれません


ですが、水の代わりにスポーツドリンクを

飲むのはあまりおすすめできません


発汗や疲労がないのにスポーツドリンクを

飲むと塩分や糖分の摂り過ぎに

なってしまうことがあるためです。


スポーツドリンクに含まれる糖分は

ジュースなどよりも多い場合もあります。


大量に飲むことで「ペットボトル症候群」

呼ばれる急性の糖尿病になってしまう

危険性もあると言われています。


ペットボトル症候群とは


ペットボトル症候群とは、

糖分が含まれている甘い清涼飲料水を

大量に摂ることで血液中の血糖値が

異常に高くなり


  • 著しい喉の渇き

  • 尿量が多くなる

  • 倦怠感

  • 腹痛

  • 吐き気


などの症状が現れ、ひどくなると意識低下、

昏睡状態にまで陥ることもあります。


糖尿病と診断されていなくても

突然発症することもあります。


清涼飲料水を飲む

血糖値上昇

喉の渇き

清涼飲料水を飲む

血糖値上昇・・・


の悪循環によって引き起こされます。


清涼飲料水の糖質量は?


では、清涼飲料水のペットボトル500ml換算

での糖質量はどの程度でしょうか


炭酸飲料 およそ40~60g

果実飲料 およそ40~96g

スポーツドリンク およそ23~31g

紅茶、コーヒー類 およそ30~40g


1日の砂糖摂取目安量は25gと

言われていますので

1本飲むだけで超えるものもあり、

過剰摂取には注意が必要です。


カロリーオフのものや糖質オフのものには

食品添加物が多く含まれるものも

ありますので注意してくださいね。


通常の水分補給については糖分が

含まれない水、お茶

(麦茶などカフェインが含まれないもの)

などをこまめに飲むのが良いでしょう。


カフェインを含むものは利尿作用があるため

体内の水分を尿として体の外に出して

しまうため脱水になってしまいます。


運動に適した水分とは


日本スポーツ学会の「スポーツ活動中の

熱中症予防ガイドブック」で推奨されている

運動時に適した水分とは


  • 5~15度に冷やした水を用いる

  • 飲みやすい組成にする

  • 胃にたまりにくい組成及び量にする


具体的には


0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg)

4~8%程度の糖質


つまり


1リットルの水に食塩1~2g、砂糖40~80g

含まれたものを推奨しています。


糖質はエネルギー補給の役割と効率よく腸で

水分吸収をするために入っています


スポーツドリンクは、発汗で体液が

薄くなっている時に効率よく

水分やナトリウム、ミネラルを吸収できる

濃度に作られています。


経口補水液について


下痢や嘔吐などの体調不良時にも

水分補給は必要です。


スポーツドリンクが勧められることもありますが、

下痢や嘔吐で水分が出ていくのは運動による

発汗とは違うもの。


体調不良時にはそれに見合ったものを

補給する必要があります。

そこで勧められるのが、経口補水液です。


経口補水液はナトリウムなどの電解質と

糖質が体液に近いバランスの飲料です


体が脱水気味の時に素早く水分を

吸収できるようになっています。


スポーツドリンクに比べて塩分濃度が

0.3%と高めで、糖質が低めな特徴があります。


体調不良時の水分補給には

スポーツドリンクでも良いのですが、

食事がとれない時、発汗もあって脱水が

進行している場合には

経口補水液のほうがいいかもしれません。



ちなみに、経口補水液を飲んで

美味しく感じたら

脱水がおきているので要注意ですよ


スポーツドリンク、薄めて飲んでいませんか?


前述のように、スポーツドリンクは

速やかに水分やナトリウム、ミネラル補給が

できる濃度になっています。


甘すぎて飲みづらい、糖質が気になる

という声もありますね、


水や氷で薄めれば、ナトリウムや

糖質などの成分も薄くなってしまうので

スポーツドリンクを飲む目的としては働きません。


薄めずにそのまま飲みましょう。


自分で手作りしてみよう


市販のスポーツドリンクでは添加物が

気になったり、味が口に合わないという方は

手作りしてみてはいかがでしょうか


スポーツドリンクは、

水1リットルに食塩1~2g、

砂糖40~80gがベース


500mlのペットボトルで作るなら


塩を0.5g~1g、砂糖20g~40g

(はちみつなら大さじ2程度)


これにレモン果汁などお好きな果汁を加え、

水を入れたら出来上がり!


クエン酸を足すと疲労回復にも役立ちます


お好みの味にして作ってみてくださいね


まだまだ続く暑さに負けないように

上手に水分補給をしたいですね。


今回も、お読みくださりありがとうございました。


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