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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

執筆者の写真尾崎由貴

金魚から学ぶ、痩せやすい季節

突然ですが、問題です。

 

暑い夏と寒い冬、どちらが

基礎代謝量が多く、痩せやすいでしょうか?

 

夏のほうが

たくさん汗をかくので、痩せやすいような?

 

答えは、後ほど――。

 

 

話は変わって、

先日、地元で夏祭りが開かれ、

4歳娘と一緒に遊びに行ってきました。

 

田舎にしては、大きなお祭りで

商店街いっぱいに屋台が並んでいます。

 

かき氷、フルーツ飴、からあげ、

くじ引き、焼きそばなど種類豊富な

屋台を見ているだけでも楽しめました。

 

しかし、4歳娘が

「これがやりたい」と言って

かたくなに譲らなかった屋台があります。

 

それは、金魚すくいです。

 

結局、2匹の金魚を持ち帰ることになり、

 

金魚の小さな命を、

いかに守るかというミッションで

私の頭はいっぱいになっています。

 

金魚は変温動物、人は恒温動物

 

金魚の飼育において、

大事なポイントは3つ。

 

①水質、②水温、③エサの消化具合です。

 

……ここまで読んで、

分子栄養学のブログで

何の話を読まされているんだ?と

思われた方がいるかもしれません。

 

話はちゃんとつながるので、

安心してこのまま読み進めてください。

 

金魚の話は飛ばして

読んでもらっても構いません。

 

① 水質について

 

金魚の水槽内は

フンや食べ残したエサで

水質が悪化してしまいます。

 

しかし、

汚染物質を分解して水を

きれいにするバクテリアが

水槽内に定着していれば、

水質悪化は問題になりません。

 

バクテリアが繁殖しやすいよう

水槽環境を整えることが大切です。

 

② 水温について

 

金魚は、水温によって

体温が変わる「変温動物」です。

 

適応水温域が広いと

言われている金魚ですが、

 

急激な水温の変化には

ストレスを感じてしまい、

病気になりやすくなるのだそうです。

 

水換えの際は、

水温差に注意する必要があります。

 

③ エサの消化具合について

 

水温が15度を切ってくると

金魚の体は代謝が落ちていき、

あまり動かなくなるそうです。

 

その際、消化器官が不活性化し

消化不良が起こってしまうので、

 

エサの量や与える回数を

減らす必要があります。

 

また、

金魚すくいで持ち帰った金魚は、

ストレスを多く受けているため、

消化機能が低下しています。

 

ですから、

家に持ち帰って数日~1週間は

エサを与えてはいけないのだそうです。

 

そもそも金魚には胃がありません。

消化不良になりやすい生き物です。

 

1回分のエサの量を

少なめにして1日数回に分けて

エサを与えるのが、最も消化不良を

起こしにくい方法だと言われています。

 

 

きれいな水で、

ストレスを与えないよう配慮し、

 

水温やストレス具合によって

エサの量を調節することで

 

金魚は、

長生きするのだと分かりました。

 

わが家で金魚を迎えて

2週間が経とうとしています。

 

かわいい2匹は、

いまも元気に泳ぎ回っていて

私たち家族の癒しの存在です。

 

金魚も人間もストレスに弱い

 

持ち帰った金魚を

いかに長生きさせるか

というミッションのおかげで、

 

私は金魚に詳しくなりました。

 

金魚と人間は、

まったく違った生き物ですが、

共通していることがあります。

 

それは、ストレスによって

体調を崩しやすいということ。

 

それから、

消化機能が落ちているときは

1回分の食事量を減らして、

こまめに食べると回復しやすいということ。

 

また、話せない人間の赤ちゃんを

育てるときに意識したいこととして、

 

食べさせる量が適切かを

判断するときに、うんちを

観察すると良いと言われますが、

 

これは金魚においても同じです。

 

フンの状態を見て、消化具合を判断し、

エサの量や回数を調節します。

 

金魚と人間。

 

まったく違った生き物ですが、

生き物であることは同じです。

 

金魚には人と

共通する部分があると知り、

 

金魚のことをますます愛おしく

思えてしまう、私がいます。

 

気温による基礎代謝量の違い

 

さて、

ここからは人間の体の話に戻ります。

 

冒頭で問題を出しました。

 

――暑い夏と寒い冬、どちらが

基礎代謝量が多く、痩せやすいでしょうか?

 

答えは分かりましたか?

 

基礎代謝とは、私たちが

生きるために無意識に行っている呼吸や

体温維持などに使われるエネルギーのこと。

 

金魚は変温動物で、

水温が下がるとともに代謝も

下がってしまうとお伝えしました。

 

代謝が落ちて、

消化機能も低下するため、

消化不良にならないように

エサを減らさないといけないのでしたね。

 

では、人間は……?

 

人間は恒温動物です。

 

気温が下がる冬に

人間の体がどうなるかというと、

 

防衛本能を働かせて

体温を上げようとします。

 

そのため、

交感神経優位になり、内臓が活発に

動いて、基礎代謝が上がるのだそうです。

 

一方、

気温が高くなる夏は

活動量が増えて、汗もかきます。

 

しかし、基礎代謝量は

冬に比べて10%前後少ないらしいのです。

 

たとえば、

寒い1月の基礎代謝が106%なのに対して

暑い8月は93%にまで落ちてしまいます。

(国立栄養研究所「基礎代謝の加齢並びに季節変動」より)

 

暑い夏と寒い冬で

基礎代謝量が変化するんですね。

 

しかも、

水温低下によって

基礎代謝が落ちる金魚とは違い、

 

人間は、

気温が低くなるほど、基礎代謝が高まる。

 

おもしろい違いだと感じました。

 

基礎代謝が高まるとは、つまり、

消費エネルギーが多いということです。

 

冬は食べ過ぎない限り

痩せやすい季節だと言えるでしょう。

 

痩せたいと思ったときは、

 

夏ではなく

基礎代謝量が増える冬の時期に

ダイエットするといいかもしれませんね。

 

一方、夏は暑さで食欲が落ちて

自然に痩せる方が多いと思います。

 

食欲が落ちて栄養バランスが崩れると、

体調を崩しやすくなってしまうので、

 

暑い夏でも、しっかりと3食たべましょう!


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