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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

最近の子供には意欲がない?

執筆者の写真: 藤井祥子藤井祥子

こんにちは。


分子栄養学アドバイザーの藤井祥子です。

もうすぐ夏休みですね。


子供達にとっては楽しいことがいっぱいで

ウチの子供達も楽しみにしていますが

毎日の食事を作るお母さんには

試練の時期(笑)。


わが家も高2の長女、中1の次女、

小5の息子と3人いるので

台所に立つ時間が長くなりそうです。


●学校の先生が思う最近の高校生


先日、長女の高校の保護者会がありました。


保護者会では校長先生の話から始まって、

進路や学校生活について、

2学期に行く修学旅行の説明など

複数の先生がお話をしてくれました。


そこで印象的だったのが、どの先生も

「最近の子はおとなしい」

と言っていることでした。


真面目で、課題も提出し、

何事も卒なくこなすが

意欲をあまり感じられない、とのこと。


先生方の言う「意欲」とは

「自分から進んで何かをする気持ち」

さしているようです。


●マズローの欲求5段階説



最近の高校生が持っていない(?)「意欲」

私は「マズローの欲求5段階説」

「自己実現」のことかな?と思いました。


マズローの欲求5段階説とは、

人間の欲求は5段階のピラミッドのように


構成されていて、

低次の欲求が満たされると、

もう1つ上の欲求を持つようになる


というものです。


この法則からいくと


「自己実現」欲求が少ないという

今の子供達は実は下段階の4つの欲求が

満たされていないのかもしれません。


特に一番下段の

「生理的欲求」=「生命を維持したい」

というものを見てみましょう。

動物にとって生命を維持するというのは

「空腹を満たす」「寝る」

ことかなと思います。

今の高校生は生理的欲求が

満たされているのでしょうか。


●高校生の3人に1人は寝不足


少し古いですが、

平成26年11月に文部科学省が実施した

調査結果が興味深かったのでご紹介します。


睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との

関係性に関する調査の結果


睡眠調査(概要) (mext.go.jp)


  • 深夜0時以降に就寝している高校生 47%。

  • 睡眠不足と感じる高校生 3人に1人。


寝不足だと自律神経のバランスが崩れます。

交感神経が優位となり、

イライラや頭痛、疲労の原因となります。


  • 毎日朝食をとっている高校生 およそ5人中4人。


朝食の欠食は低血糖を起こします。

低血糖だと集中力がなくなるので、

授業中ボーっとしたり、

お昼ごはんの後に眠気に襲われたりします。


  • 休日の起床時刻が2時間以上 ずれることがよくある子供は 午前の授業中に眠くて仕方がないと 回答する割合が高い。 【小・中・高】


概日リズムは25時間と言われ

朝日を浴びることや

朝食を食べることでリセットされます。

起床時間が2時間以上ずれると

概日リズムのリセットが上手くいかず

ダルさや疲労など不調の原因となります。


  • 学校から帰宅後に30分以上の仮眠を とることがある子供ほど、 午前中に調子が悪いと回答する割合が高い。 【小・中・高】


自律神経の乱れや低血糖があると

夕方調子が悪くなるケースが多くなります。


  • 携帯電話・スマートフォン(スマホ)との 接触時間(ゲーム除く)が長い子供は 就寝時刻が遅い。【小・中・高】


寝る時間が遅くなると、

翌日の起床時間も遅くなります。

睡眠時間も短くなり、

朝食を食べる時間がななり、

低血糖になり…と悪循環になりやすいです。


  • 寝る直前まで各種の情報機器 (テレビ、ゲーム、携帯・スマホ、PC等)に 接触することがよくある子供は 朝、ふとんから出るのがつらい と回答する割合が高い。【小・中・高】


テレビなどの情報機器は

睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を

抑制します。


ギリギリまで画面を見ていると

眠りの質が悪くなり、睡眠時間のわりに、

ぐっすり眠れなかったということも。


と、悪影響ばかりを紹介しましたが、

こんな結果もありました。


  • 朝食を毎日食べる子供は、 ルールを守って行動すると 回答する割合が高い。 【中・高】


  • 朝食時に家の人との会話が多い子供ほど、 自分のことが好きと回答する割合が高い。 【小・中・高】


朝食を摂ることは、社会性の高さ

自己肯定感の高さにも

関係があるようですね。


●この調査でわかること


  • 「寝る」という生理的欲求が 満たされていない子供は3人に1人


  • 朝ごはんを食べると自己肯定感が高い


  • 休日も決まった時間に起きると 平日の授業に集中できる


  • 寝る直前までスマホなどの画面を見ると 朝起きるのがツライ


この調査は睡眠に関するものでしたが、

「眠る」という「生理的欲求」

満たされていないことの悪影響

わかるものでした。


寝不足の高校生(に限りませんが)が

増えていることが先生方の言う

「自己実現欲求」のある「意欲ある生徒」

少なくなってきた理由なのかもしれません。


●子供達が「意欲」を持つために必要なこと


私をはじめ親は子供達に

「進んで何かをしてほしい」と願います。

勉強、お手伝い、遊び…。


やり方を教えるのも必要ですが、

まずは寝不足、空腹を満たすことから

始めてみるのもありかもしれません。


小さな子供は欲求に素直なので

眠い、お腹が空いた、と

言ったり、泣いたりして自己主張します。

(それが親をイライラさせたりしますが)


そのため親も寝かせたり、食べさせたり

生理的欲求を満たしてあげるのが

簡単ですね。

幼稚園くらいの子供たちが

「大きくなったら〇〇になる!」

将来の夢を言ってくれるのも

生理的欲求が満たされているからかも

しれません。


大人や大人に近づいてきた思春期の

子供達は自分が寝不足で、

お腹が空いていると感じていない場合も多いです。


体が生きるために、寝不足でも空腹でも

それをカバーするためのホルモン

分泌してしまうからです。

(体の仕組みってスゴイです)


生理的欲求を満たすことで

進んで何かをしたい!と思えるように

なるといいですね。


●楽しい夏休みにしよう!


夏休みはどうしてもメリハリが無くなって

生活リズムが乱れてきます。


  • 朝カーテンを開けて 体内時計をリセットする


  • 1日3食を決まった時間に食べる (タンパク質が入っているとなおGOOD!)


など、簡単なことからやってみましょう。


生活リズムが整うことで、

勉強や宿題に意欲的になるかもしれません!

そうなればガミガミ言うこともなくなって

親子で楽しく過ごせます。

みなさんの家庭の夏休みが笑顔で

楽しいものになりますように♪

(我が家も頑張ります!)


長文をお読みいただきありがとうございました。


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