たんぱく質の必要量って?
こんにちは。
だんだんと涼しくなってきましたね。

本日は、身体をつくる栄養素である
『たんぱく質』について取り上げたいと思います。
トレーニングしている方は
特に意識して摂っていると思いますが、
運動をしていない方でも、
胃腸が不調だったり、
食事を疎かにすると、
不足しやすい栄養素かと思います。
必要なたんぱく質量について、
厚生労働省では、
日本人の食事摂取基準
(最新は2020年版)
で発表しています。
たんぱく質の資料(p116)には、
身体活動レベル別に
たんぱく質の目標量(g/日)
が記載されています。
身体活動レベルが低いⅠと
身体活動量の高いⅢでは、
たんぱく質の目標量の差が、
約20~80gもありました。
(例:男性30歳のたんぱく質目標量
身体活動レベルⅠ→75~115g/日
身体活動レベルⅢ→99~153g/日)
ちなみに上記のレベルⅠの量は、
女性30歳の身体活動レベルⅢと
ほぼ同じ量でした。
活動レベルだけでなく、
性別によってもかなり違う様ですね。
安藤先生の「運動と栄養」の講義では、
最低摂ってほしいたんぱく質の量として、
男性1日60g、女性50gが挙げられています。
(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」)
もちろん運動量や体の大きさ・年齢、
疾患等々によって必要な量は違いますが、
分かりやすいので、これを1つ目安として、
どのくらい何を食べればその位のたんぱく質量に
なるのか考えてみたいと思います。
~1日60gのたんぱく質摂取メニュー~
☆朝食
・白米150g…3g
・目玉焼き1個…6g
・ししゃも3匹…5g
計:14g
☆昼食
・白米(150g)…3g
・ローストビーフ(100g)…21g
計:24g
☆夕食
・生姜焼き(豚ロース100g)…26g
合計:64g
計算しやすいように
野菜のメニューは省いてしまいましたが、
こんな感じになりました。
朝昼夜ともに、肉や魚等が含まれていると、
最低摂ってほしい基準は超えそうですね。
ただ、欠食したり、
食事の代わりにお菓子を食べたり、
肉や魚・卵・豆等を食べていない場合は、
不足しやすそうです。
不足してしまうと、
たんぱく質で作られているものの
働きが低下してしまいます。
たんぱく質等で作られているものは、
下記があります(「入門講座2」より)
筋肉
内臓
骨
脳、神経
血液
髪、皮膚、爪
酵素
ホルモン
神経伝達物質
たくさんありますね。
筋肉や皮膚(肌)は、
たんぱく質とのイメージが
ありましたが、その他にも
様々なものに必要なのですね。
ただ、たんぱく質を摂ることは
大切と分かっているけど、
胃腸の調子が悪い時は、
受け付けない感じがします。
(特に鶏肉と朝食)
一時的なものであれば良いかと思いますが、
長く続いている方は、
たんぱく質の消化に必要な
消化液(胃酸)がしっかり出ているか、
又、
胃腸の調子はどうか確認してみましょう。
~たんぱく質消化に必要な胃酸について~
胃酸がしっかりでているか
確認する方法に
ABC検診があります。
胃がんリスク層別化検診とも言われます。
血液検査です。
(健診のオプション等で受けられます)
ABC検診は、
胃がんのリスクを調べる検査で、
胃がんの主な原因となるピロリ菌
や胃の状態を把握する検査です。
ピロリ菌がいると、
分子栄養の内容を取り入れても、
効果が出るのに時間がかかったり、
思っていた様な効果が出ないことが
あるそうです。
ピロリ菌が見つかった方は
治療法がありますので、
医師に相談してみましょう。
もし、ピロリ菌がいなくても
胃腸の調子が悪い方は、
胃酸の量が少ない等の可能性があります。
胃酸は鉄を吸収しやすい形にさせる
作用もあり、貧血になりやすい
女性にはより大切な消化液です。
分子栄養以外では、
ABC検診の結果、
胃酸の量が少なくても
問題があるとは言われません。
結果の見方については、
講義「栄養の消化・吸収」で
説明されていました。
ぜひ見てみてください。
~胃酸が少ない時~
胃潰瘍等がなく、
特に問題はないけど、
胃もたれがする時、
大事とは分かってはいるけど
食べるの辛いですよね。
そんな時は、
消化させやすいものを加えたり、
クエン酸等を摂ると
助けになるかもしれません。
消化させやすいものとして、
大根おろしや生姜、
パイナップル、麹
等があります。
これらは消化酵素が含まれています。
また、
お肉を薄切りにした
しゃぶしゃぶ用のお肉にすると
食べやすいこともあるそうです。
私も胃もたれがよくあったのですが、
内視鏡で診てもらった結果、
問題はないと言われました。
以前、健診時に行った
ABC検診の結果を
分子栄養学を学んでから
見てみると、胃酸が少ない状態
だったことを知りました。
私の場合は、
朝食を和食系にして
しっかり食べるように、
またキャベツを食べるようにしてから
だいぶ良くなった感じがします。
一人暮らしの方は
ごはんをテキトーに済ませたり、
朝食を抜いたりされる方も
多いかもしれませんが、
自分のことを大切に、
しっかり食べた方が良いかと思います。
と言っても、
いまだに私は欠食してしまうこと
ありますが…。
話は変わりますが、
実際、自分はたんぱく質が
足りているか確認する方法に
血液検査という方法もあり、
分子栄養学では
「血液栄養解析」
という講義もあります。
血液検査で栄養といったら、
総蛋白やアルブミンが
挙がるかと思いますが、
分子栄養学では、
酵素の値もみたりします。
というのも、
たんぱく質を利用する際に
必要となるからです。
その酵素の量が少ないと
効率的にたんぱく質を
利用することができない
ということになります。
たんぱく質は、
十分に摂取できているかだけでなく、
十分に消化・吸収できているか、
さらには、
しっかり利用できる状態なのか、
についても見る必要がある
という事なのですね。
ちなみに、
たんぱく質を摂りすぎると
腎臓にダメージを与えることも
あるそうで、摂りすぎも注意です。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<参考>
・食品成分データベース (mext.go.jp)/文部科学省