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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

離乳食を始める前に知っておきたいこと / 離乳食で優先したいものとは

こんにちは。

分子栄養学アドバイザーの上野綾乃です。

残暑が続いておりますが、みなさま元気にお

過ごしでしょうか。


今日は、離乳食を始める前に、ぜひ知って

おいて欲しいことについてお話しをさせて

いただきます。


私は3人の幼児を育てています。

最後の離乳食は、約2年前に終了しました。


こどもを授かって、私なりに食育について、

勉強をしてきました。


ですので、その時に学んだ知識を最大限使い

、離乳食を実践してきました。


こどもが初めて、ママのおっぱいではないもの

を口にする、それが離乳食のスタートです。


こどもも初めてのこと、上手にできるわけが

ない。それは、1人目の授乳で痛いほど感じ

ました。


赤ちゃんが産まれたら、当たり前におっぱい

を飲んでくれる。そう思っていました。


けれど、私も初めての授乳。十分におっぱい

も出ない。娘もうまく吸えない。


私と娘のタイミングも合わず、娘は授乳の

途中で疲れて寝てしまう。

1日数グラム単位で授乳量を測定し、

体重が増えない娘に申し訳なくなり、涙の

日々でした。


今考えると、私自身の栄養不足で、授乳

量がなかなか増えなかったこと、

そして、完母にこだわっていたところも、

自分を苦しめていたと思っています。


話はそれましたが、赤ちゃんも初めての離乳

食、最初からうまくいかないのは当然です。


よし、頑張るぞ!と離乳食を開始したものの、

離乳食ガイドに載っているような決められた

通りうまく行かないと落ち込むママも多いと

思います。


最初からおっぱいを上手に飲めなかったよう

に、最初から離乳食を上手に食べれるわけが

ありません。


ママが焦らず、ゆっくりと見守ってあげるこ

と、そして、必要な栄養を準備してあげるこ

とがとても大切になります。


さて、離乳食の始め方についてです。


厚生労働省が推奨している

「授乳・離乳支援ガイド」では、

5-6ヶ月ごろ、つぶしがゆから開始して、

生後1年で完了すると

なっています。


私も、それに沿って、10倍粥から開始し、

野菜、魚、肉と少しづつ食べれるものを

増やしていきました。


どちらかというとお粥(糖質を中心として)

をメインとした食事を進めてきました。


恐らく、私と同じように離乳食を迎え、完了

された方が殆どだと思います。


離乳食とは、食べることになれさせるための

ものと考えていたため、お粥中心の離乳食に

疑問を抱きませんでした。


母からも、「あんたもお粥をすごい嫌がって。

食べさせては、舌で押し出して大変やった。」

と話を聞いていたので、お粥をクリアするこ

とに、みんな苦戦するんだろうなと、思って

いました。


離乳食の開始時期、5-6ヶ月と言われます。


なぜ、離乳食が5-6ヶ月から必要なのか。

そこにも、きちんと理由があります。


生後まもない赤ちゃん。


成長に早い遅いはありますが、この時期の身

体発育の速さは、人生で最大の最速スピード

です。


だって、生後1年で体重は約3倍、身長は

1.5倍にもなるのです!!


からだがそれだけ成長するということは、

そのために必要な栄養もより増えてきます。


エネルギーもそう、そして、からだの成長

発達に必要な栄養が不足してくる時期だか

らです。



これは、スキャモンの発達・発育曲線と言わ

れるものです。


人間が成長していく過程で、からだの器官や

機能は個体差があります。


けれど、一つ一つ、成長しやすい時期、そう

でない時期があります。それを曲線で表した

ものです。


簡単に言いますと、人間のからだ、発育しや

すい年齢が決まっているのです。


つまり、タイミングを逃すと、十分に発育が

期待できないということになります。


(スキャモンの発達・発育曲線の見方)

一般型というのは、身長や体重、筋肉、  骨格などの成長を表したもの。

神経型というのは、脳、脊髄、視覚器な  どの神経系や感覚器系の成長を表したもの。

リンパ系型というのは、胸腺などのリン  パ組織の成長を示したもの。

生殖型というのは、男性や女性の生殖器、  乳房、咽頭などの成長を表したもの。


ここで、注目したいのが、❷神経型の発育で

す。神経型の発育の速さは非常に著しく、

5歳ごろまでには、ほぼ完成に近い状態にな

ります。


スキャモンの発育・発達曲線の見方をみて

いただくとおわかりかと思いますが、

❷は、脳の成長・発育になります。


離乳食を開始して、5歳までの間に、脳の発

育に必要な栄養がきちんと摂取できるかが、

健全な脳のは成長・発育に重要だということ

がわかります。


ここで言えるのは、離乳食期からの栄養が、

からだの発育だけではなく、脳や神経の発

達にも影響を与えるということです。


つまり、離乳食を開始する5-6カ月から、

脳を含めたからだや心の発達に必要な栄養

をしっかり補っていくことが重要になります。


おっぱいだけでは不足する栄養を、離乳

食として補っていく必要があるのです。


この時期に特に大事な栄養素が「鉄」

「タンパク質」そして「あぶら」です。


まず、「鉄」ですが。

母乳には「鉄」が殆ど含まれていません。


生後まもない赤ちゃんは、「鉄」を必要

としないからではありません。


生後まもない赤ちゃんは、ママのお腹の

中にいるときに、ママからもらった「鉄」

を大事に大事に使いながら成長しているの

です。


その「鉄」を使い切ってしまうのが、

ちょうど、生後5-6ヶ月になりす。


けれど、ママが貧血状態で産まれてきた赤ち

ゃんは、産まれた時から「鉄」が不足してい

ます。


そう、赤ちゃんも貧血状態で生まれてくる

ことになります。

(私も第一子は、貧血で出産しました)


「鉄」はこころの安定にも働きますので、

「鉄」が不足すると、赤ちゃんのこころも

不安定になり、癇癪や、夜泣きの原因にも

なります。


また、「鉄」は肌の状態にも影響を与えます

ので、乳児湿疹なども、「鉄」不足が原因で

あることが多いです。


次に、「タンパク質」です。

私たちのからだ、皮膚、爪、髪の毛、血液

、ホルモン、免疫、全て「タンパク質」が

材料になっています。


からだを作る上で、なくてはならないもの

なのです。


人生、最速のスピードで成長する時期です

から、おっぱいでは足りない「タンパク」

をしっかりと補ってあげることが重要です。


そして、忘れられがちな「あぶら」です。


エネルギーの源になるものというと、

つい「糖質」と考えられがちです。


ましてや、赤ちゃんに「あぶら」を与え

るなんて、消化に悪いのでは!?と考える

方も多いかも知れません。


けれど、母乳の半分は「あぶら」でできて

います。元々、赤ちゃんは、「あぶら」を

消化できる力を持っているのです。


赤ちゃん、「あぶら」を主にエネルギーとし

て利用していると言われています。


「あぶら」は「糖質」に比べてエネルギー

の利用が緩やかであるという特徴もありま

す。ですので、エネルギー効率が良いです。


さらに、人間の脳の60%は「あぶら」で

できています。


脳の発育・発達にとっても、とても重要な

「あぶら」なのです。


けれど、注意が必要です。

「あぶら」であれば何でも良いというわけ

ではありません。


マーガリン、植物油、酸化した「あぶら」

は良いものとは言えません。


細胞膜も「あぶら」でできていますので、

良くない「あぶら」を摂取すると、質の

悪い細胞が出来上がってしまいます。


良質の「あぶら」をしっかり補うことが、

健全な脳の発育・発達に繋がります。


肉や魚、卵などの動物性の「タンパク質」

を意識して取り入れてください。


これは、食事からの良質な「あぶら」

の摂取にもつながります。


特に魚に含まれるオメガ3(EPA・DHA)

は、からだの中では作られない「あぶら」

になりますので、積極的に取り入れてい

ただくことをお勧めします。


ココナッツオイル、グラスフェッドバター、

オリーブオイルなど良質な「あぶら」を

利用されることもお勧めです。


離乳食、お粥から始めることが当たり前

と思われていました。

私も実際、そう思っていました。


けれど、離乳食の一番の目的は何かを

考えると見えてきます。


成長発達が著しい時期だからこそ、おっ

ぱいだけでは足りない栄養素を補ってあ

げることが大事だということ。


私は、戻れるなら、第一子を妊娠した時

に戻りたいです。


妊娠中は自分のストレスを溜めないこと

を重視してきたので、お腹の赤ちゃんの

栄養というよりは、食べたいものを食べ

てきました。


そして、産後は、完母が一番だと、そこ

にこだわって子育てをしてきました。


今の知識があれば、違う形で離乳食期を

過ごしてきただろうなと思っております。


これから離乳食を始めようとしている方、

これから出産をされる方にぜひ、知って

頂けたらなと思っております。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


少しでも、みなさまの健康の手助

けになれば幸いです。

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