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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

今すぐやめたい子どもの集中力を下げる3つの食習慣

こんにちは。

女性と子どものための

分子栄養学アドバイザーの寺尾亜由美です。


今私の周りでは

小学校受験を控えたご家庭が多く

子どもの集中力を高めるには

どうしたらいいのか頭を悩ませている

親御様のお話しもよく聞きます。


どう声掛けをしたらいいか?

どう環境を整えたらいいか?

という観点から考える方が多いですが

それ以前に「食習慣はどうなのか?」

という点が抜けがちだなと感じています。


私自身、栄養療法を学んできて

学習の基盤である集中力を

維持するためには食習慣が土台に

あるということ痛感しました。


そのことを広く知って頂きたいなと思い

今回は、

「子どもの集中力を下げる3つの食習慣」

について説明していきたいと思います。




①朝ごはんを食べない


朝ごはんを食べないと低血糖状態になり

ぼんやりして身体がだるかったり

イライラしたりメソメソしたりと

メンタル症状も不安定になりやすくなります。


そもそも血糖とは何なのか?というと

血液の中に含まれるブドウ糖のこと。


皆さんご存知の通り

脳が働くためにはブドウ糖が欠かせません。


かといって

たくさん摂ればいいというわけではなく

「集中の持続」「メンタルの安定」

ためには常に安定した血糖値の維持が必要です。


その血糖値維持のために

身体の中では様々なホルモンが働いています。

 

血糖値が高くなると

下げるために膵臓からインスリン

分泌されますし反対に血糖値が低くなると

コルチゾールなどのホルモンが分泌されて

血糖値が上がるというように調整されているのです。


血糖値の維持には

食事の内容やタイミングが肝になってきます。


食事から得られる血糖は

3時間程で消費されてしまい

それ以降は身体に貯蔵した

グリコーゲンを利用して

血糖を維持してくれています。


これを「糖新生」といいますが

この糖新生がうまくいかないと

エネルギーが作り出せず「低血糖」状態に。


そうなると身体が危機に対抗するために

「アドレナリン」「ノルアドレナリン」を分泌し

身体を「闘争、逃走」状態にします。

その結果

「イライラする」「不安感が強くなる」といった

集中が続かないメンタル症状が出てくるのです。


寝ている間は何も食べていない上に

朝食も抜きがちになってしまうと

低血糖の状態が出やすくなります。


また、欠食だけでなく

ご飯(パン)だけといった糖質に

偏った内容でも低血糖症になりやすく、

授業に集中できなくなるので

心当たりがある方は、

朝もしっかりタンパク質を

摂るよう意識してみてくださいね。


②パンと牛乳を毎日摂っている

「腸脳相関」と言われるほど

腸の状態が脳に影響することが

わかってきていますが

自閉症などの発達障害の分野でも

腸の状態が影響していることが示唆されています。


例えば自閉症の90%腸のトラブルを

持っているという研究があったり

腸内環境を整えることで発達障害の

症状が改善したケースもあったりと

腸が脳に与える影響は大きいように思います。


アメリカの自閉症団体では古くから

「グルテンフリー・カゼインフリー食事法」

推奨されていますが、


この食事法は

小麦に含まれる「グルテン」

乳製品に含まれる「カゼイン」

摂らないようにする療法です。


なぜ摂らないといいのかというと

これらが腸内環境を荒らす要因となるからです。


グルテンとカゼインは、

どちらもタンパク質ですが

「プロリン」というアミノ酸が非常に多く

人の消化酵素で分解しにくい性質を持っています。


うまく消化できず未消化なまま

小腸に達すると腸内環境が悪い人は

特にグルテンやカゼインが、

腸の粘膜に入り腸の炎症を引き起こしてしまいます。


さらにモルヒネの様な

アミノ酸配列を持つため

体内に入ると中毒症状を起こしやすく

ハイテンションになったり

癇癪を起こしたり

ぼーっとしたりと

不安定なメンタル症状にも繋がっています。


最近は、米粉や牛乳の代替品である

植物由来のミルクも多く見かける様に

なりましたので思い当たる方は

家での牛乳やパンを控えて

代替食品に変えてみることから始めてみてくださいね。


③揚げ物を摂ることが多い


皆さんはどんな油(脂質)を摂ることが多いですか?


脂質が悪者という印象を

持っているかもしれませんが

すべての細胞膜や脳の6割は

脂質というほど重要な構成要素です。


ですが、タンパク質と異なり

摂った油の質がそのまま反映されやすいのが

脂質の特徴です。


つまり、どんな油を日常的に

摂っているかによって

脳の脂質の質も変わってくるということです。


特に悪さをするのは

揚げ物やマーガリン、加工食品に

よく含まれている「トランス脂肪酸」です。


この「トランス脂肪酸」は自然界には

存在しないもので

この不自然な脂質を摂ると

体内の抗体が細胞を攻撃したり

免疫細胞が反応したりと炎症が起こります。


脳の神経伝達物質の働きも阻害され

メンタル症状も悪化していきます。


単純にマーガリンや加工食品を

避けるだけでなくコーン油や大豆油など

リノール酸を多く含む油を加熱すると

トランス脂肪酸に変化しやすいため注意が必要です。


酸化しにくいオレイン酸を含む

「米油」「オリーブ油」

少し高いですが「ギーバター」

加熱調理にはおすすめです。


また、「DHA」を意識して食べることもおすすめです。


先ほど脳の構成要素の6割は、

脂質だと言いましたが

その内25%はDHAで構成され

抗炎症作用や抗アレルギー作用が

あるだけでなく学習機能を高める

作用もあると言われています。


それだけでなく

前回の私のブログ解毒について

書きましたが解毒に必要な

グルタチオンの濃度も

高めてくれる作用がDHAにはあります。


発達障害発症の環境要因として

環境ホルモンや農薬、重金属が

よく挙げられますが、

完全に回避することは難しいため

解毒の機能をいかに高めていくかが

重要になってくると思います。


DHAを摂ることで脳の機能を

高めることに加え解毒の機能も

高めてくれので積極的に摂りたい脂質ですね。


皆さんご存知の通り

イワシやサバなどの青魚に

多く含まれていますので

意識して摂ってみてください。

生に近い調理法がより多くのDHAを摂取できますよ。


最後までお読みいただきありがとうございました。


少しでも皆さんの子育てのお役に立てれば幸いです。

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