子どもの衝動的な行動の3つの理由

私は
児童発達支援や保育園、ベビーシッターの
仕事を通して子ども達を見る機会が
多いのですが発達障害の子に限らず
落ち着きのない子や不安が強い子
そわそわしている子が多いなと日々感じています。
実際
発達凸凹の子は年々増えていると
言われており
2012年の文部科学省の調査では
「普通学級に通う小学生の6.5%が
発達障害と思われる」という結果が発表されています。
突然変異かのように増えている
発達凸凹の子どもたち。
その背景に何があるのか?
どうしたら子どもたちがより良く生きられるのか?
それが知りたくて
私は感覚や栄養等について
日々学んでいます。
そうして
身体の根本を学ぶことで
食習慣や生活習慣など日々の
積み重ねでも発達の凸凹が起こるということを
知りました。
それを
多くの親御様に知って欲しい!
という想いで
今回のブログを書かせて頂きます。
今回は
「子どもの衝動的な行動の背景」を
①栄養から見た観点
②姿勢発達から見た観点
③感覚から見た観点
でご紹介します。
①栄養不足でも衝動性を抑えられなくなる
衝動的に動く子って
イライラしやすかったり
怒りを抑えられずに
爆発することありませんか?
そんな時
「発達障害あるある」
でとにかく受け止める
とか
声かけを変えてみる
とか
そんな認知へのアプローチが一般的だと思います。
でも認知からのアプローチだけで
根本的なことろに注意を向けないと
いたちごっこで
お母さんも子どももお互いに疲弊する
悪循環な流れになるのではないかと思っています。
では
栄養面から見たときに
どう考えられるのか?
例えば
「怒りを抑えられない」
と言った症状は
「銅過剰」
で起こります。
やる気や集中力に必要なホルモンは
「ノルアドレナリン」
という神経伝達物質なのですが
過剰になりすぎると
イライラ
不安感
焦燥感
が強くなる作用があります。
そして
過剰になる条件として
「銅過剰」が挙げられます。
なぜなら
ノルアドレナリンが作られるまでの間に
「銅」が必要になり
「銅」が過剰になると
ノルアドレナリンが
多く作られてしまうのです。
そして
銅の過剰を抑えてくれるのが
「亜鉛」
なのですが…
亜鉛は骨の成長に欠かせないミネラルで
成長期のお子さんはどうしても不足しがちに。
ちょうど
2歳前後にイヤイヤ期
小学校高学年頃の反抗期
この時は身長が急激に伸びる時期
でもありますよね。
これは
骨の成長に亜鉛が使われることで
「亜鉛」が不足し
「銅」が増え
「ノルアドレナリン」の過剰が
引き起こされて起こるメンタル症状ともいえます。
この成長期に
「亜鉛」を多く含む動物性タンパク質を
あまり食べていなかったり
チョコレートやココアなど
「銅」を多く含むものを過剰に摂取したり
リン酸塩を多く含む
外食や出来合いのものに食事が偏ると
「亜鉛」を含む
ミネラルが排出されてしまい
イヤイヤ期や反抗期の
メンタル症状も強く
現れてしまいます。
これを知らずに
アンガーマネジメントだけをやっていると
本当に親子共に疲弊してしまうだろうなと
懸念しています。
②深層筋と表層筋のバランスが悪い
保育園で見ていても
じっと座っていられなかったり
唐突に走り出したりような子どもたちを
よく目にします。
そんな子は
身体の使い方もぎこちなく
力加減も上手くできないことがほとんど。
そして
背中を触ってみると
ガチガチに硬いのです!
これから読み取れるのは
「表層筋で身体を固めているな」
ということ。
なぜ表層筋で固まってしまっている
かというと身体の深層部にある
「深層筋」の不活性が起きているから。
深層筋が活性化していると
姿勢を安定して保持する
細やかで正確な動き
ゆったりしたスムーズな動き
といった動きができるようになります。
深層筋がきちんと育っていないと
その逆がおこります。
つまり
姿勢を安定して保持できない
細やかで正確な動きができない
ゆったりしたスムーズな動きができない
ということ。
さらに表層筋は
瞬発的な動きに必要な筋なので
深層筋<表層筋のバランスになると
瞬発的に動きたくなってソワソワしてしまうのです。
本来
立つまでの間の
寝返りやハイハイ等の姿勢発達の段階で
獲得するはずだった深層筋が
何らかの理由で発達が遅れ
それを補うかのように表層筋で
身体を固めてしまっている可能性があります。
心当たりがある方は
表層筋を緩めるために
マッサージをしてあげたり
深層筋に必要な
四つ這い姿勢の動きや
うつ伏せになって両手をバンザイする
スーパーマンのポーズ動きなんかを
遊びの中に取り入れてあげてみてください。
③基礎感覚不足
先ほどお伝えした
深層筋で感じる感覚を
「固有感覚」(深部感覚)といいます。
固有感覚は
胎児の時から獲得する
「基礎感覚」の一つです。
基礎感覚とは
「触覚」
「固有感覚」
「前庭感覚」
のことですが
ん?
「触覚」はわかるけど
「固有感覚」と「前庭感覚」って何?
という方もいらっしゃると思います。
触覚も含めて
固有感覚、前庭感覚の
3つの感覚は
私たちが日常的に使っているにも関わらず
自覚が難しい感覚です。
ちなみになぜ「触覚」が
自覚しにくいかというと
ここでいう「触覚」は
「原始系の触覚」のことだからです。
例えば
暗闇で突然後ろから
肩を叩かれたら反射的に「ビクッ!」と
身を引いてしまうと思います。
この原始系の触覚は
普段抑えられているのですが
強く残ってしまっていると
人に触られることを極端に嫌がったり
集団の中に入れなかったりして
その場から逃げたり
攻撃的な行動に出たりします。
これが側から見ると
「唐突に教室から出て行った」
「突然友達を叩いた」
と衝動的に動いているように見えるわけです。
また
「固有感覚」が足りなくても
「突然友達を叩いた」ように見える行動を起こします。
「固有感覚」は
身体の内部の「目」のような働きをしており
「固有感覚」が適切に働くことで
筋の張りや関節の曲がり具合を察知して
力加減を調整することができます。
例えば
私たちは
目をつぶっていても
頭や肩など身体の部位を正確に触ったり
指を曲げたりすることができますよね。
この無意識の感覚が「固有感覚」なのです。
固有感覚が未発達だと
力加減の調整ができないので
ものの扱いが乱暴だったり
唐突にお友達を叩いたり
(本人は軽いタッチつもりだったりします)
と誤解を受けやすい行動をとってしまうのです。
最後に「前庭感覚」について。
例えば
電車に乗っている時に
急ブレーキがかかりました。
その時あなたは
どんな動きをしていますか?
恐らく
足を踏ん張ったり
背筋を真ん中に戻そうと
ほぼ「無意識に」身体が動くと思います。
この反応は
「前庭感覚」が傾きやスピードをキャッチして
筋を緊張させて姿勢を中心に戻そうとする
動きしてくれているからなのです。
ではこの感覚が不足するとどうなるのか?
姿勢が保持できないわけですから
じっとしていられないのはもちろん
不足感覚を補うために身体を揺すったり
衝動的に走り回ったりします。
これら3つの
無意識の基礎感覚があるからこそ
私たちは
姿勢の保持や
力加減の調整のみならず
情緒の安定が
できているわけです。
基礎感覚を育てるには
子どものうちに
全身を使って大きく遊ばせてあげることが大切です。
家の中でも
昔ながらの親子遊びにヒントがあります!
例えば
高い高い
膝の上でお馬さんパカパカ
飛行機ごっこ (仰向けに大人が寝て膝の上で子どもを揺らす)
おふねギッチラコ (親子で向かい合って座り、手を繋いでシーソーのように交互に倒れる)
寝る前など
親子の触れ合い時間を作って
たくさん心地よい感覚を入れてあげてくださいね。
今回挙げた3つの観点
どれも知らずにいると
子どもの行動の理解ができず
「叱る」「怒る」
という対応で終わってしまいがちです。
心当たりがあるものは
是非取り入れて
根本的なアプローチを
試していただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。