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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

些細なことで大袈裟に泣く子に必要なこと

こんにちは。

分子栄養学アドバイザーの寺尾亜由美です。


皆さんのお子さんは

些細なことでよく泣く子どもですか?

それともケロッとしているタイプですか?


私の周りの子どもたちを見ていると

ちょっとぶつけただけ…

ちょっと躓いただけ…

ちょっと注意されただけ…

それだけでひどく大袈裟に泣く子が少なくありません。


そしてこういった子に対して

すぐに駆け寄って「大丈夫?」

声をかけたり背中をさすってあげたりする方と

一方で

「甘えてるだけだから放っておく」

という対応をする方がいます。


私も児童発達支援で働いていた時に

ABAという行動療法を学び

大人が望まないような子どもの困った言動に

対して「消去」=何もしない

という対応が正しいのだと学びました。


ですが

それに対してずっと疑問がありました。


それって

「困っている時には誰も助けてくれない」

「自分でどうにかしないといけない」

というような「諦め」を教えていることにならないのかな?


そういった「諦め」

「人を頼れない」という方向に進んだ場合

本当に苦しい場面に出会った時に

一人で抱え込んで苦しむことにならないかな?


そんな想いが沸々と湧き上がっていた中

体の仕組み栄養療法を知ること

見方がガラリと変わりました。


その一つが

「痛みを感じやすい」ということは

セロトニンが不足しているかもしれない

ということ。


セロトニンとは

脳内神経伝達物質のひとつで

興奮系のドーパミンやノルアドレナリンを

制御し情緒を安定させる働きがあることで

知られていますが「痛みを和らげる効果」

あると言われているのです。


そして

セロトニンが不足する要因として

合成に必要な「鉄」「ビタミンB群」の不足が挙げられます。


妊娠~乳児の時にこんなことありませんでしたか?


  • 妊娠中に貧血と言われた

  • 完全母乳で育てた

  • 乳児湿疹があった

  • 寝付きが悪かった


そんな子は

乳児の時から「鉄不足」だったのかもしれません。


また

「セロトニン」「ビタミンB群」は腸内で

腸内細菌叢によって合成されます。

つまり

砂糖や添加物、ストレス過多、

睡眠不足など腸内環境を乱す

生活習慣が多いとこれまたセロトニン合成が

うまくいっていないかもしれないということ。


そして

些細なことで泣くのは

実は大袈裟でも何でもなくて

セロトニンが不足していて

「痛みを人よりも強く感じてしまうから」

なのかもしれません。


そこに気付くと

子どもを「無視する」ことよりも

「鉄」「ビタミンB群」サポートしてあげること

代謝を整えてあげること

根本的に必要だと気付くことができます。


また

  • 優しく抱きしめてあげる

  • 優しい声かけをしてあげる

  • 優しく見つめてあげる

こういったこともセロトニン分泌を

促してくれると言われています。


優しい触れ合い

愛情ホルモンと呼ばれる

オキシトシンを分泌しそのオキシトシンが

セロトニンの分泌を促してくれます。


それだけでなく

オキシトシンは社会性を高めたり

ストレスを緩和する作用もあり

何よりのメリットは

触れられる側だけでなく

触れる側にも分泌されること。


親子の優しいふれあいは

親子の心身を落ち着かせてくれる効果がある

ということなのです。


理屈抜きに

子どもが泣いていたら

「慰めてあげたい」

そう内側から溢れる感情に従う方が

理に叶っているということなのですね。



また、このオキシトシンは

赤ちゃんの時に受容体の密度が

決まってくるといわれており

幼少期の環境によって受容体の傾向が

異なることがわかっています。


幼いころにたくさんスキンシップを取ることで

オキシトシンの受容体密度が高まり

ストレス耐性が強くなり

人間関係が良好になるというなら

今すぐにでもたくさん抱きしめたあげたくなりますね。



最後に余談になりますが

このオキシトシンは

今後自閉症治療にも使われるようになりそうです。


自閉症と診断されている方の一部には

CAPS2と呼ばれるタンパク質の

遺伝子変異などが確認されているそうですが

CAPS2はオキシトシンの分泌制御に

関与しておりそれによって

社会性の困難さに影響が

出ているのではないかということが

東京理科大のマウスを用いた実験で明らかになりました。


また、東京大学医学部附属病院の研究により

オキシトシン経鼻剤を投与することによって

表情や声色を重視した他者理解の

頻度の増加が認められたそうです。


オキシトシンを活用した治療が

自閉症児を持つ家庭の強い味方に

なってくるといいなと今から期待しています。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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