脂肪肝について考える
「脂肪肝」とは、実際のところ何なのでしょうか?

私は症例検討会で血液栄養解析を
していて、ふと疑問に思ったことが
あります。
「この方、脂肪肝の可能性あるよね」
「痩せてても、多分脂肪肝に
なっているよね」
アドバイザーになるとよく言うフレーズです。
『うーん…。それで?』と思った方は
いらっしゃいませんか?
脂肪肝になったら
何がいけないのでしょうか?
脂肪肝の症状って何なのでしょうか?
本当に実際肝臓に脂肪が
ついているのでしょうか?
クライアントの方や患者さんに
質問されたらちゃんと答えられなければなりませんね!
皆さんはパッと説明ができますか?
私は肝臓については専門外なので
一般的な働きしか知りません!
そこで、色々調べてみました。
① 脂肪肝とはどんな状態か?
脂肪(中性脂肪)が肝臓に
多く蓄積した状態。
脂質→脂肪酸、糖質→ブドウ糖→
中性脂肪・グリコーゲン、アルコール
→中性脂肪
これらは使い切れなかったら肝臓に溜まる。
② 脂肪肝の原因は?
(1)アルコール性脂肪肝:
お酒を飲む人の脂肪肝
(2)非アルコール性脂肪肝:
お酒を殆ど飲まない人の脂肪肝→
非アルコール性脂肪性肝疾患
(NAFLD)と呼ぶ
③ 脂肪肝の症状は?
脂肪肝だけでは症状は殆ど出ない
④ 脂肪肝になると何が問題なのか?
一般的には、脂肪の割合が肝細胞全体の
30%を占める場合に診断される。
血液がドロドロになり、血流が低下。
全身の細胞に酸素と栄養が
行き渡らなくなるため、
倦怠感や易疲労性、
肩こり、頭がぼーっとする、
腹部違和感という症状を自覚する人もいる。
そして最近ではNAFLDの中に、
肝炎が持続して徐々に繊維化が
進む一群があることがわかった
(これを非アルコール性脂肪性肝炎NASHと呼ぶ)。
NASHが改善しない=
慢性肝炎(6か月以上)が続くと
肝硬変や肝癌に移行することがある。
(駒込病院HP・
東京蒲田医療センターHPより)
以上を知ると、脂肪肝にはならない方が
良いことがわかります。
私は今、手術室に勤務しているので
患者さんの血液データを見ながらダイレクトに
肝臓を見ることができます。
肉眼でもわかる脂肪肝だと肝臓が
黄色味がかっていたりプリっとして
鶏の砂肝のようにパンパンになっていることもあります。
痩せ型の方で見た目でわかる
脂肪肝の方にはまだ出会っていませんが、
患者さんの状態によって肝臓は色味や
形の違いが出やすいことがわかりました。
さすが!摂取したものを解毒したり
タンパク質等栄養を合成・貯蔵したり
胆汁を作ったり、優秀な臓器です!
肝臓の表情(色や質感)に個性が
あることも不思議ではないように思いました。
暴飲暴食で脂肪肝になることも多いですが、
極端な食事制限や無理なダイエットをして
低タンパクになるとコレステロールを肝臓から
運び出すことができなくなり、
低栄養性脂肪肝になることもあるようです。
私は「痩せの脂肪肝」のメカニズムを
知ってなるほどなぁと思いました。
⑤ 脂肪肝になったらどうすれば良いのか?
(1)アルコール性→アルコールを減らす
(2)肥満や糖尿病がある→
食事改善と運動
(3)体の異化が進むような
極端な食習慣(ダイエット)を改める
(4)レシチンやミルクシスルを取り入れ、
肝細胞再生を促す
というように、脂肪肝の改善には
生活習慣の見直しが必要なことは
言うまでもないようです…。
これからの栄養カウンセリングのお役に立てたら嬉しいです。