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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

医療従事者と分子栄養学


医師、看護師、助産師、薬剤師、

理学療法士、技師、栄養士…

色々な有資格者が医療に関わっていて、

健康問題に直面している方々に向き合っています。

その中で、その人の「個」に着目した

栄養ケアができている職種は

あるでしょうか?


私は、プライドを持って看護の仕事を

してきたからこそ、分子栄養学の臨床での

可能性を感じ、それを広めていきたいと

いう思いを巡らせていました。

でも、実際はかなりハードルが高く…。

組織の中で私個人にできることは

一体何なのだろうと”迷子”になることがあります。


同僚に栄養の話をしても、私の話に

「興味」を示す人の方が少なく、


「ただビタミンに詳しい人」

「時々プロテイン飲んでる人」などと

思われているだけのように感じます。


(時々忙しい昼休みに飲みますが、EAAで摂ることが殆どです)


妊婦さんを診る産科医でさえ

栄養の話には興味がないように見えました。


私の伝え方がまだまだだなぁと思いながら…(苦笑)

体のメカニズムをよく知っていて、人の命、

人生の岐路に立たされた患者さんと

関わることの多い医療従事者。


しかし、実際問題。自己を一番犠牲にし、

食事時間も栄養素も十分量摂ることが

できていないのではないかと自分を含めて思います。


常に時間に追われ、ミスをしてはいけない

緊張感、概日リズムを狂わせる勤務時間。


真面目で献身的な方が多く、疲れていても

頑張らなければなりませんし、そうなると

メンタル疾患の有病率も高くなります。


免疫力が落ちれば感染症にもかかります。

医療従事者こそ、栄養面、精神面から

上手に自分を労わる必要があるのでは

ないかとつくづく感じるのです。


私は自分が看護師資格を持っていることに

誇りを持っていましたが、時々複雑に思います。


栄養に関してはほぼ素人でしたし、食事を

取る間もなくバリバリと働く自分が

カッコイイと思っていましたから。


見せかけではなく、自分らしく元気に

生きるために、本当に大切な「土台作り」に

資格はあまり関係ないのかなぁと思いました。

そして、分子栄養学を学んだ当初、

こんな野望も持っていました。


「病院食や保育園、学校(特に特別支援学級など発達障害児のいるところ)

の給食を変えたい」

…しかし、組織を変えることは

本っ当に大変なことで並大抵の努力ではどうにもなりません。

今はこう考えています。


大切なのは、やはり家庭であり日常の

食事・生活習慣です。


それに、個人によって食事療法が

かなり異なるため一律の食事が個人に

合ったものではない可能性があります。


在院日数の短縮された病院で一時的に

分子栄養学に基づいた栄養を補給したと

しても補給された栄養がどこまでその人に

十分に吸収されるのか。


もちろん、たとえ一時的でも栄養補給は

術後など創傷治癒の促進や褥瘡予防、

改善など効果はあるかもしれませんが、


長年のタンパク不足の方々は

そんな簡単に栄養不足は解消しません!


効率重視の医療現場では時間のかかる

栄養療法は効率が悪いものでしかないのです。


だから栄養は優先順位が低く後回しにされがちです。


学生時代に栄養学について深く学ぶプログラムもありませんでした。

では、分子栄養学を学んで医療従事者に

できることとは一体何でしょうか。


患者さんへの栄養指導ですか?


いいえ、臨床での栄養指導は医師の

指示のもと栄養士が行います。


オーソモレキュラー医がいない一般病院で

私個人の勝手な判断で栄養カウンセリングを

患者さんに行うことなどできません。


栄養不足の患者さんばかりなのに!!!!!


歯がゆい!!!!!(←心の声)

医師の指示のもとでしか動くことのできない

私たちは、ある意味本当に無力です。

そんな中、今、私が個人的に思う

分子栄養学を学んで医療従事者にできること。


それは、同じ医療従事者へ分子栄養学を

広めること、そして元気に仕事ができることです。


学生時代に生化学は学んでいる

はずですから、得意・不得意はあるにせよ

復習ですから切り込みやすいと思います。


医療従事者の皆さん、もっと自分を

労わりながら、栄養の重要性を認識し学ぶべきです!


「コレステロールが高いので卵を控えましょうね」

などと話しているレベルでは本当に笑い者です!


患者さんの方が栄養知識が豊富な

場合もありますから、情報過多な現代、

何が正しいのかも日々新しい情報を

更新しなければなりません。


その努力が必要です。

努力をするエネルギーも必要です。

COVIDだけに関わらず、感染症にも

「しっかりと栄養を摂っている」人の方が

かかりにくく、かかったとしても自己免疫で対抗できます。


心身ともに疲れ、不安が強く、

栄養不足の方は感染症にもかかりやすくなります。


それだけでも医療従事者が分子栄養学を

学んで自ら実践することが有益であることがわかります。


また、「しっかりと栄養を摂る」という

言葉上曖昧なものから

「個人に合った栄養の摂り方がわかり、自分で自分を養生できる」


具体的な方法をオーソモレキュラーアカデミーでは学ぶことができます。


誇りを持って医療に従事している方々にこそ!

自分を大切にし、家族、仲間を

大切にして日々患者さんと

向き合ってほしいと思います。


偉そうなことを言っていますが、もちろん、私も含めてです。


栄養療法を完璧にやるべき!と

言っているわけではありません。


ただでさえ疲れている傾向にある

医療従事者に無理なんて強いられません。


「知って」、今の生活に「取り入れてみる」だけです。

忙しくても、「無理なく」できる方法があります。

分子栄養学を学んでから、お昼休みに

つい同僚の食べているものをチラチラと

見てしまい、勝手に想像力を膨らませ

アセスメントしてしまいます

(アドバイザーあるあるですね。笑)。


職場の冷蔵庫にお弁当の人が少ないとか、

特盛野菜が置いてあるとか、相手の髪の

毛から指先、足首、ふとした瞬間に

見えるところもつい観察してしまいます。


でもその観察力、私はとても大切だと思っています。


母親が子供の観察のプロであるように、

見て(看て)聞いて(聴いて)

感じたものは貴重な情報です。


患者さんの情報を五感(時に六感)で

キャッチするプロが医療従事者です。


同じ志を持って分子栄養学を深められたらと思います!

また、同じような思いで組織に属して

働いている医療従事者の方々と

今後交流できたら嬉しいですね。


私と一緒に迷子から抜け出しましょう!笑

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