女性特有の不調の原因
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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

女性特有の不調の原因

こんにちは。

分子栄養学アドバイザーの森田早紀です。


なんと大阪では、先日梅雨入りしましたが、

雨がふらず、暑い日が続いており、

そのまま梅雨明けとなってしまいました。

みなさんはいかがお過ごしですか?


女性特有の病気


先日、母から連絡が来て、

祖母に元気がなくなってしまった・・・とのことでした。


母によると、祖父が体調を崩していたのが

復活し、ホッとして気が抜けたんだろうとの

ことですが、分子栄養学的に見ていくと、

祖母には沢山のウィークポイントがあります。


中でも彼女は鉄不足が顕著です。


祖母は80歳を超えておりますが、

半年ほど前に陸上選手が使う砲丸ほど

あった子宮筋腫を摘出する手術を受けました。

子宮筋腫が大きすぎるせいで、

便秘はひどく、頻尿で、

薬が欠かせませんでしたが、

血液検査では異常なし。

子宮筋腫も良性で、お腹に抱えたままでした。


子宮筋腫は婦人科疾患で最も多いと言われ、

30代以上の女性の20~30%の人が

持っていると言われています。


また、母も同じく子宮筋腫で子宮を

摘出しています。

子宮筋腫は遺伝の要素も大きいので、

家系に子宮筋腫がある場合は、

婦人科で定期的にチェックしてもらいましょう。


というのは、子宮筋腫と鉄不足は密に

関わっているからです。


子宮筋腫の有病率は、

年々増加傾向にあります。

良性のものがほとんどなのですが、

症状としては

  • 月経過多

  • 貧血

  • 腰痛

  • 月経痛

などがあります。


月経量は他人と比べないので、

自分の月経量が多いのか少ないのか、

判断しにくいですよね。


月経過多の目安としては、

  • 1~2時間でナプキンを交換する

  • 夜用のナプキンを日中でも何度も交換する

  • 血の塊のようなドロッとしたものが出る

  • ひと月に何度も月経がある

などです。


出血量が多いということは、

鉄不足に直結します。

鉄不足は、様々な不定愁訴を

引き起こすことになるのです。


祖母も母も、月経量は多かったのですが、

貧血を指摘されたこともなく、そのまま閉経を迎えました。


一般の血液検査では、基準値の範囲が

広いため、数値が低かったり、高かったりしても、

基準値内にとどまっていれば、

貧血と判断されることはまずありません。


そして、基準値を超えるまでは

何も指摘されなかったのに、

基準値を超えた瞬間から、

「あなたは貧血です」と言われるのです。


そして貧血と診断されてからでは、

既に症状は酷くなってしまっており

  • 疲れやすく、疲れも取れない

  • メンタル不調

など、既に治していくのが大変な状態に

なってしまっていることが多いです。


また、血液検査では異常がないにも関わらず、

不調が続くとなると、内科ではなく、

精神科に駆け込み、

向精神薬などを処方される・・・

ということもよくある話です。


祖母も、母も、今考えると、疲れやすく、

メンタル不調もありました。

私も、子宮筋腫はありませんでしたが、

月経量もかなり多く、

思春期にメンタル不調も経験し、

精神科の門を叩いたこともあります。

その際処方されたのは、整腸剤のみ。

もちろん、鉄の話は全くありませんでした。


女性と貧血


女性は、男性と違い、

思春期から約30~40年程続けて、

毎月のように月経が来ます。


毎月出血があるため、日本人の

食事摂取基準では、

推奨量が10.5~14mg/日となっています。


※厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020参照


しかしながら、国民健康・栄養調査によると、

月経がある年齢の女性の鉄の摂取量は、

最も高くて、7.2mgです。


鉄、全く足りていません!!


そして、もう一つ問題となっているのが、

子どもを生む人数が減っていること。

1950年代では、平均4人ほどだったのですが、

2019年には平均1人です。


妊娠・授乳期間が短くなることで、

月経がない期間が短くなっている・・・

つまり出血する期間が長くなっているということです。


昔の女性は、生涯の月経回数が

50回程度だったのに対して、

現代女性は、450回と、

なんと9倍です!


月経量は、1度の生理で、20~140mlです。

昔と今で、経血量を比較すると、

少なく見積もっても、2Lのペットボトル4本分。

月経量が多いと、ペットボトル30本分も、

昔の女性よりも、

血液が出ていってしまっている事になるのです。

驚きですね・・・


ですので、現代女性にとって鉄補給は、

欠かせないのです。


鉄不足の症状


鉄不足の症状といえば、立ちくらみが有名です。


しかしその他にも、実は様々な不調が起こります。


  • 疲れやすい

  • 冷え性、手先・足先が冷たい

  • 喉の不快感

  • 硬いものが食べたい

  • 甘いものへの欲求がある

  • 頭痛

  • 音に敏感

  • 寝付きが悪く、夜中に目が覚める

  • 湿疹ができる

  • 頻脈でドキドキする

  • 注意力の低下

  • よく泣く


など、一見気にしていないようなものでも、

鉄欠乏に関係しています。


検査数値のみを頼りにするのではなく、

自分の体感も同じくらい大切にしてください。

何かしら原因があり、

食事で改善することが本当に多いですよ!


鉄補給のポイント


鉄には2種類あります。


◯ヘム鉄

タンパク質と結合している。

吸収率10~20%

肉や魚、動物性食品に多い


◯非ヘム鉄

鉄単体でムカつき、胃痛が起こりやすい。

吸収率2~5%

穀類や野菜など植物性食品に多い


比べるとわかるように、

ヘム鉄のほうが吸収率が高いですね。


貧血対策にはヘム鉄がおすすめです。

  • 赤身のお肉

  • レバー

  • あさり、しじみ

などに多く含まれています。

使いやすい、レバーパウダーや、

食べやすいレバーペーストもおすすめです。

また、どうしてもレバーは苦手という方は、

ビーフジャーキーも活用するといいですよ。


そして、非ヘム鉄も、上手に食べれば、

吸収率を上げる事ができます。

ビタミンCや酸っぱいものと一緒に取ると、

吸収率が上がるので、

酢の物や柑橘系のフルーツなどと一緒に摂るといいですね。


  • 山菜

  • バジル

  • 赤こんにゃく

  • ドライトマト

などに含まれていますので、食事に取り入れてみましょう。


メニューとしては

  • マリネにバジルを振りかける

  • ドライトマトと八朔のオリーブオイル和え

などが、吸収率も良く美味しくておすすめです。


◯レモン汁+白だし+黒胡椒

さっぱりマリネの素


◯お酢+白だし+醤油

酢の物の素


こだわりの調味料を使えば、

無添加で美味しいさっぱりメニューが作れます。


上記の材料に、甘みを足したいときは

お好みで甘味料を加えてくださいね。


そして大切なのは胃の状態。

ピロリ菌感染があると、

胃酸が中和されてしまいますので、

鉄の吸収がうまくできません。


家族にピロリ菌感染者がいる場合、

胃痛や食欲不振がある場合には、

検査をして、ピロリ菌感染がないか

確認することをおすすめします。


鉄不足を甘く見てはいけない!!


このくらいの立ちくらみなら・・・

このくらいの疲れなら・・・と、

”まだ頑張れる!精神論”

世の中の女性のほとんどが

持っておられます。

私の祖母や母も例外ではありません。


長年にわたって鉄欠乏を放置してしまうと、

今回の祖母のように、元気が出ない、

鬱かな?どこか悪いのかな?と言った風に、

ガタが来ることになります。


祖母の不調の原因は鉄不足だけではありませんが、

大きな原因の一つです。


分子栄養学では、食事の取り方や、

症状などから、自分のウィークポイント、

足りない栄養素を知ることができます。


祖母や母も、そして私ももっと早くに、

分子栄養学に出会えていたら・・・と

悔しいところですが、遅すぎることはありません。


食べてはいけない!と言われると悲しいですが、

食べ物の選択肢が増えると、お買い物も楽しいものです。


鉄を補っていくと、疲れていることが

当たり前ではなかった!と気づく女性も多いです。


私も時間をかけて、

  • 食事の支度が楽にできるようになった

  • 朝スッキリ起きられる

  • 子どもが帰宅後もイライラしなくなった

など、鉄を意識した食事で、かなり体感が良くなりました。


ぜひブログを読んでくださっている皆さんにも、

長い目で見て、毎日コツコツと鉄補給に取り組んでいただきたいと思います。

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