妊娠を望むカップルが知っておきたいこと
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オーソモレキュラーアカデミー

分子栄養学ブログ

セミナー報告や当協会認定の分子栄養学アドバイザーによる分子栄養学ブログをお届けいたします。

妊娠を望むカップルが知っておきたいこと

皆さんこんにちは。

指導アドバイザーの森田早紀です。


突然ですが、皆さんはお好きな映画はありますか?


私は大のディズニー好きで、

春になると、名作「バンビ」が見たくなります。

作中では、春になると、様々な動物たちに

赤ちゃんが生まれ、その可愛さ、

幸せそうな表情が描かれ、

素敵な音楽が流れています。

心温まる名作ストーリーですよね。


そんな「バンビ」から発想を得て、

今回は妊活についてのお話です。


妊娠の現状


最近では、晩婚化という言葉が

定着してきました。

内閣府の調査によると、

女性が社会進出しやすくなったり、

適当な相手が見つからなかったり、

一人の自由な時間を楽しみたいという

意見が多いようです。


2016年には、第一子の平均出産年齢は

30.7歳と1980年の26.4歳よりもかなり高くなっています。


また、不妊に悩むカップルも

増えているのが現状です。

妊娠を望むカップルの10~15%程度

不妊に悩んでいます。


女性の加齢と不妊は密接な関係があり、

20代前半では5%未満ですが、

30代後半で30%、40代では64%が

自然妊娠することが難しくなります。

※日本産婦人科学会参照


女性の加齢と不妊に関しては、卵子が大きく関わります。


女性は、生まれたときに

すでに一生分の卵子が卵巣内に存在しています。

男性の精子のように、

都度作られるわけではないので、

年齢とともに卵子は老化していきます。

卵子が老化してしまうと、

やはり受精しにくくなってしまうのが事実です。


しかし、不妊の原因は女性側だけではありません。

男性側にも問題があることが多いです。


では、年齢を重ねると

妊娠は諦めなくてはいけないのか?

妊娠しやすい体作りのために

何をしたらいいのか?

男性側にはどうしてもらえばいいのか?

という疑問が湧いてきますよね。


そんな疑問を分子栄養学観点から、

妊娠しやすくなるための体作りのポイントをお伝えしていきます。


ミトコンドリア機能の改善


妊娠するためには、

ミトコンドリア機能が要です。

ミトコンドリアとは、人間の細胞の中で

エネルギーを生み出している器官です。


このミトコンドリアは、心臓や肝臓、

筋肉に多く含まれますが、

実は卵子に最も多く含まれています。

卵子1つあたり10万個です!

卵子はそれだけ大切な細胞で、

繊細、守らなければならない、ということですね。


ミトコンドリアの機能が低下すると、

エネルギーを生み出すことができません。

また、ミトコンドリアには、

独自のDNAが含まれていますが、

これは活性酸素などのストレスに非常に弱いです。


これらを踏まえて、実践することは

  • 腸内環境を整える

  • ビタミン・ミネラルを摂る

  • ストレスを軽減させる

ことです。


《腸内環境を整える》


腸内環境と一口に言っても、

ミトコンドリアに大きく関わるものが、

カンジダ菌です。


カンジダ菌は、腸内環境がそれほど

悪くないときには悪さはぜず、

ひっそりとしています。

しかし、腸内環境が悪化すると本領発揮。

有機酸と言われる毒素を出すことで、

ミトコンドリア機能が低下してしまうのです。


これに関しては、有機酸検査というもので、

ミトコンドリア機能の低下を知ることが

できますので、興味のある方は

受けてもいいかもしれません。

しかし、朝一番の尿を採取して、

外国に送って検査してもらうという流れに

なりますので、高額です。

有機酸検査をしなくとも、

ミトコンドリア機能の低下がわかる

チェックリストを下記に記載しますので、ぜひチェックしてみてください。


□疲れやすい

□甘いものが無性に欲しくなる

□かなり多忙だが元気がみなぎっている

□過度なストレスを感じている

□やる気が出ない

□風邪をひきやすい

□小麦製品が大好き

□缶詰製品をよく食べる

□肌が弱い

□鼻炎や花粉症、結膜炎など粘膜が弱い


これらに当てはまると、ミトコンドリア機能が低下している兆候です。


腸内環境を整えるために、

  • 甘いものを控えて、鮭おにぎりや、 ゆで卵などの補食をとる

  • 小麦製品の頻度を減らし、 グルテンを避ける

  • 水分、食事量を増やし、便通をよくする


ことに気をつけてみましょう。


《ビタミン・ミネラルをとる》


ビタミン、ミネラルは、

体内で多くの代謝に関わっています。

エネルギーがしっかり取れていたとしても、

ビタミン・ミネラルが不足すると、

細胞内にエネルギーを取り込めなかったり、

作り出すことができません。


基本的には、食事から取るのが一番ですが、

現代では、農薬や品種改良によって野菜の

栄養価が昭和の時代の

1/3となっているものもあります。

サプリメントを効かせるためには、

正しい食生活が基本となりますが、

その上で、マルチビタミンミネラルを追加するのも一つの手です。


食事では、1回の食事で

  • ボーンブロススープやポタージュ、 味噌汁など、加熱して汁ごと食べられるもの

  • 生で食べるもの

の2種類があると理想です。


また、卵子の細胞膜は、

リン脂質というものでできています。

脂質は悪者扱いされがちですが、

質のいい脂質を摂取することで、

卵子の細胞膜を強くし、

壊れにくくすることができます。

オメガ3と呼ばれる、えごま油、アマニ油、

青魚に含まれているDHA、EPAなどを

積極的に取り入れましょう。


そして、その脂質を酸化させないために、

ビタミンA、C、Eが有効です。


意識して食事に取り入れてみましょう。


また、マグロやカジキなどの大魚、ツナ缶、

サバ缶、トマト缶などの摂取頻度が多い方は、

知らず知らずのうちに、

重金属への暴露があるかもしれません。

有害重金属も、体内への蓄積量が多いと、

ミトコンドリア機能を下げてしまいます。


何をやってもダメという方は、

最終的には重金属の蓄積も疑ってみるといいかもしれません。


それぞれ頻度は2週間~1ヶ月程度にし、

缶詰製品は、瓶のタイプに変更するといいですね。


□ストレスを軽減させる


これに関しては、なかなか難しいところですよね。

食習慣を変えることは、

ときに人生を変えることにもなります。

例えば、人が抱えている悩みは様々で、

職場でのストレス、家庭でのストレス、

住環境でのストレスなど様々です。


子供を育てていく上で、

今置かれている環境は、

果たして自分や家族にとって

本当にいい環境なのか?と、

考える良いきっかけかもしれません。


もちろん、不妊以外にはなんの悩みも

ないという方も中にはいらっしゃるでしょう。

そんな方は、

少し力が入りすぎているのかもしれません。

妊娠するために、こうしなければ、

ああしなければと、知らず知らずのうちに

思い詰めているかもしれません。

その反動で、仕事を頑張ることで

吹き飛ばしていたり、過度なスポーツに

打ち込んでいたりしませんか?


自分のストレスを発散させる、

静的休養を見つけてみましょう。

  • 好きな雑誌を読む

  • アーシングしてみる

  • お気に入りのアロマを焚く

  • 自分にあった枕を作ってみる

など、自分の気持ちにゆとりが出るような休息を探してみましょう。


□男性が取り入れるべきこと


基本的には、女性と同じく、食生活を改善していきましょう。


精子の形成には、ビタミンC、ビタミンE、

グルタチオンが重要であることがわかっています。

どれも抗酸化の効果のある栄養素です。

パートナーと一緒に、食事でしっかりと栄養補給しましょう。


そして、不妊に悩む男性に多いのが、

サウナ好きな方。

実は、陰嚢(精巣を包む袋)の適切な温度は、

33℃程度と言われています。


サウナで汗をかいてデトックスし、

妊活に望む男性も多くいらっしゃいますが、

実は逆効果なのです。


精子の動きが悪くなったり、

精液の濃度が低下したり、

精子の全身運動が弱くなるという報告があります。


その他にも、長時間の座り作業(運動不足)や、

タイトな下着の着用、長時間の自転車走行などは避けましょう。


最後に


不妊は非常にデリケートな問題です。

人に打ち明けられなかったり、

赤ちゃんを見かけたり、妊娠報告を聞いたりすると、

焦りや、悲しみ、怒りなど、様々な感情に飲み込まれますよね。


でも、この2年間で、分子栄養学を取り入れた

栄養改善で、妊娠された方を何人も見てきています。


栄養改善したことで、気持ちが前向きになった方がほとんどです。


不妊治療が保険適用になり、今まで金銭面で

挑戦できなかった方々も、治療を始める機会も増えるでしょう。


先生に治してもらうという受け身から、

自分でも変化するという意識を持って、妊活を楽しみましょう。


栄養療法で大切なのは、

自分の体感や、感覚を素直に受け入れることです。

お勧めされたサプリメントや行動を、

実践してみて、体感が良くなければ、

変更するというように、”自分の体の声”と向き合ってみてくださいね。


分子栄養学が、皆様の素敵な妊娠に貢献できることを願っています。


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