藤井祥子
2022年5月20日5 分
こんにちは。
分子栄養学アドバイザーの藤井祥子です。
「推し活」って、よく耳にするように
なりましたね。
「推し」がいると、ちょっと落ち込むことがあっても
元気になるなぁと思います。
先日、子供達が母の日のプレゼントに
私のお気に入りのネコのキャラクターの
ステッカーをくれました。
早速スマホのカバーケースに入れたんですが
スマホを見るたび、触るたびにニンマリ
してしまう私(笑)。
まさに「推し」効果ですね!
今回は「推し」がいると健康にどんな
影響があるのかをご紹介したいと思います。
「推す」とは「人に推薦する」という
意味があります。
最近の使い方では
「誰かに推薦したいほど大好きな対象」
という意味になるようです。
「推し」の対象は、俳優さん、
アニメのキャラ、YouTuber、パティシエなど
人物はもちろんのこと、レストランなど
お気に入りのお店など多岐にわたります。
私の場合は上で紹介したネコのキャラクターがイチオシです。
「推し」がいるとなんだか元気になります。
体にどんな変化があるのでしょうか。
オキシトシンは
妊産婦に役立つホルモンとして有名です。
赤ちゃんが乳頭を吸引する刺激によって、
分泌が促進され、母乳が出やすくなったり、
産後の子宮の回復を促したりします。
このオキシトシンですが、
「推し」を見たり、触ったりすることでも
分泌されます。
家族や恋人との会話や手をつなぐなどの
スキンシップで分泌が促進されるので
愛情ホルモンと呼ばれています。
オキシトシンが分泌されると
以下のような効果があります。
■幸せな気分になる
オキシトシンの分泌により
セロトニンの分泌も促されます。
セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、
メンタルを安定させる効果があります。
また、眠りのホルモン・メラトニンの前駆体
なので安眠にも効果的です。
■学習意欲や集中力が向上する
オキシトシンが分泌されることで
副交感神経の働きが活発になり、
自律神経のバランスが整います。
副交感神経が優位になると
血管が緩んで血圧が低下し、
心身ともにリラックスした穏やかな状態に
なります。
リラックスすることで
目の前の事に集中できるので、
記憶力が向上し、学習意欲も高まります。
■ポジティブになる
上と同じくリラックス効果により、
ポジティブで前向きになりやすくなります。
ドーパミンは
別名「幸せホルモン」や「快楽ホルモン」と呼ばれています。
ドーパミンを増やすことで
「うれしい」「楽しい」という
ポジティブな気持ちになります。
ドーパミンは何かに努力したり、
目標を達成した時に大量に放出されます。
例えば応援している「推し」の俳優が
目標を達成すると、感情移入した自分も
達成感を得ることができ、
ドーパミンが分泌されます。
自分自身が目標達成をしなくても
分泌されるってなんだか不思議ですね。
ドーパミンが分泌されると
以下のような効果があります。
■やる気が出る
■楽しい気持ちになる
■集中力がアップして効率が良くなる
■ポジティブになる
■疲れにくくなる
ドーパミンは報酬型ホルモンで
何かを達成することで分泌され
脳が快感を覚えます。
そしてその快感をまた味わうために
何度も達成しようとします。
一方でドーパミンは過剰に分泌されると、
その快楽が忘れられず依存してしまいます。
薬物やタバコ、ゲームなどの依存症には
ドーパミンが関係しています。
出すぎると依存になり、
不足するとヤル気がダウンしてしまい
どちらもよくありません。
閉経後の女性はドーパミンの分泌が
少なくなります。
これはエストロゲンという女性ホルモンと
関係があり、閉経後にエストロゲンが
減少することでドーパミンも減少します。
エストロゲンは恋愛ホルモンとも
呼ばれます。
本物と会えなくても「推し」との
疑似恋愛でエストロゲンの分泌が
アップされます。
エストロゲンには美肌効果もあるので、
恋する女性が美しいのも納得ですね。
「推し」がいることでオキシトシンや
ドーパミンが分泌され、やる気や幸福感の
アップにつながることがわかりましたが、
食生活が乱れていると「推し活」の効果が
低くなってします。
オキシトシンとドーパミンの原料は
タンパク質です。
原料がなければどんなに推し活をしても
これらのホルモンを体内で作ることは
できません。
またタンパク質を沢山食べても、
消化吸収しなければ排出されるだけ、と
なってしまいます。
次のことに気を付けると効率よく
タンパク質が摂れるようになります。
・3食のごはんでタンパク質を摂る。
(食べだめができません。)
・胃酸を出す。
(腸で吸収するためには胃酸で
小さな分子にする必要があるため。)
・腸内環境を良くする
(腸内環境が悪いと吸収できません。)
例えば、次のような症状や食生活は
「推し活」の幸福感が下がってしまうかも
しれません。
・朝ごはんを食べない、または少ない
・炭水化物中心の食事が多い
⇒原料のタンパク質が不足しています
・胃酸抑制剤を飲んでいる
・ピロリ菌がいる
⇒胃酸が出にくくなっています
・おならやげっぷが多い、臭い
・便秘、下痢がある
⇒腸内環境が悪化しています
また、オキシトシンはコミュニケーションで
分泌が促されるので、一人より家族や
友人と楽しく食事をすることで分泌が
アップされます。
好きなことやモノがあるとオキシトシンや
ドーパミンの分泌し、やる気・集中力が
アップ、幸福感も得られます。
「〇〇をしているときは幸せ」
「〇〇をしていると時間を忘れちゃう」
など「今」夢中になれることがあると
嫌なことが吹っ飛んでしまいます。
これはマインドフルネス(瞑想)にも通じ、
ストレスケア効果もあります。
特別な「推し」なんていないわ…と
思う方もいるかもしれません。
「推し」でなくても自分が好きなもの、
きれいな風景の写真、お気に入りの
ぬいぐるみ、など見て触って「好きだな?」と
思うものでも良いのです。
ちなみに私は壁にお気に入りのネコの
ポストカードを4~5枚貼っています。
キッチンのカウンターにはお気に入りの
ぬいぐるみも置いてます。
なんとなく眺めては「可愛いな~♪」と
ホワッとした気分になるので、きっと
オキシトシンが出ています(笑)。
3食の食事を気をつけるだけでなく、
お気に入りのモノやコトがあることで
心身ともに毎日を楽しく過ごせるように
なりますね。
皆さんの健康に少しでもお役に立てれば
幸いです。
長文をお読みいただき
ありがとうございました。